[クローズアップ]

増大するスマートメーター、センサーに新たな携帯電話番号帯を開放 ― 総務省がM2M/IoT時代に対応した専用番号の割り当てへ ―

2015/08/01
(土)
SmartGridニューズレター編集部

2015年6月18日、総務省において、電気通信事業制作部会から情報通信審議会に「携帯電話番号の有効利用に向けた電気通信番号に係る制度の在り方」についての諮問書が提出され、スマートメーターやセンサーが急速に増大するM2M/IoT時代に対応して、新たにM2M専用番号を開放する検討に入った。その主な焦点は、「携帯電話番号の不足(枯渇)対策」と「M2M専用番号の割り当て」となっており、具体的には、2015年6月30日の第13回 情報通信審議会 電気通信番号政策委員会から検討が進められている。
ここでは、総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課 番号企画室 課長補佐の瀬島 千恵子(せじま ちえこ)氏への取材などをもとに、その背景と現状、今後のロードマップについてレポートする。

携帯電話番号の枯渇とM2M/IoT専用番号の需要増加

総務省によると、携帯電話の契約数は、2015年3月末時点で、1億5,270万件に到達している。携帯電話番号は、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどの各通信事業者が、契約数の増加などを見込んで総務省に指定申請し、総務省から各通信事業者に割り当てられる仕組みとなっている。2015年3月末時点で、総務省が電気通信事業者に指定可能な「090」「080」番号帯はすべて指定済みとなっており、続く「070」番号帯についても、今後、指定可能な番号は残り4,420万番号となっている。

携帯電話の契約数は、毎年約800万件の増加傾向にあり、このペースで需要が増大した場合は、平成30(2018)年には「070」番号帯が不足(枯渇)することが懸念されている(図1)。

図1 携帯電話/PHSの指定可能電話番号数の推移)

図1 携帯電話/PHSの指定可能電話番号数の推移)

〔出所 総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会 第14回配布資料より〕

さらに、2016年4月1日からスタートする電力小売全面自由化に向けて、各電力事業者が設置を進めているスマートメーターは、スマートメーターと電力会社のMDMS(メーターデータ管理システム)との通信において、一部では3GやLTEなどのモバイルネットワークの利用も行われる。また、さまざまなセンサーから取得した情報をモバイルネットワークを介して送受信し、利用するM2M/IoTサービスが実践時代を迎えているため、新たな携帯電話番号に対する需要が急増している。

このような背景から、情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会(主査:東京工業大学名誉教授・放送大学特任教授 酒井善則氏)では、M2M/IoT時代に即した携帯電話番号割り振りの制度について、2015年6月から検討が開始されたのである。

電気通信番号の使用状況

次に、現在の電気通信番号の使用状況を表1に示す。前述した通り、現在、携帯電話/PHSについては、「090」「080」「070」の番号帯が使用されている。また、「010」番号帯は国際電話に、「050」番号帯についてはIP電話に割り当てられている。

表1 電気通信番号の使用状況(2015年3月末現在)

表1 電気通信番号の使用状況(2015年3月末現在)

〔出所 総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会 第14回配布資料より〕

このほかの番号帯として、「020」番号帯は、発信者課金のポケベル電話番号として020-【4】(1~3、5~9を除く「4」だけという意味)から始まる1,000万件はすでに一部が指定されているが、残りの8,000万件(1~3、5~9のいずれかを使用)は未指定となっている。また、「060」番号帯は、UPT/FMCサービス注1の用途が定められており、NTTコミュニケーションズがサービスを提供していたUPTサービスである「eコールサービス」に利用されていたが、同サービスが2011年 3月31日に終了したため、現在は未使用となっている。さらに、「030」「040」番号帯も未指定である。

M2Mに利用される携帯電話番号の需要

このような状況のなかで、M2Mに利用される携帯電話番号の需要は、平成32(2020)年に約4,200万番号になると予想されている(図2)。その需要の内訳については、表2の通りとなっており、「テレマティクス」が約1,200万番号と突出して多く、「スマートメーター」が480万番号、「農業センサーによる状態監視」が約465万番号、子供の位置情報通知などのサービスが約420万番号と続いている。

表2 M2Mに利用される携帯電話番号の需要内訳〔平成32(2020)年予測値〕

表2 M2Mに利用される携帯電話番号の需要内訳〔平成32(2020)年予測値〕

〔出所 総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会 電気通信番号政策委員会 第14回配布資料より、出典 「固定電話の番号区画等に関する調査研究 報告書」 (平成27年3月 NTTアドバンステクノロジ株式会社)より作成〕

図2 M2Mに利用される携帯電話番号の需要予測

図2 M2Mに利用される携帯電話番号の需要予測


▼ 注1
UPT:Universal Personal Telecommunication、自宅の電話や携帯電話など、任意の固定網/移動体網を意識することなく1つの任意の番号で発着信できるサービス。
FMC:Fixed-Mobile Con-vergence 、移動体通信と有線通信とを組み合わせた電気通信サービス。例えば、1つの電話番号で、家庭の固定電話や携帯電話など、契約した端末で着信を可能にする通信サービス。

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