JXエネルギーは2017年3月15日、横浜市港北区に「横浜綱島水素ステーション」を開設し、営業を始めた。営業時間は9:30~17:00で、定休日は月、日、祝日。同社は次世代自動車振興センターの「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の採択を受けて、商用水素ステーションの建設を進めており、今回開設したステーションはその事業の一環となるものだ。
図 「横浜綱島水素ステーション」の外観
出所 JXエネルギー
「横浜綱島水素ステーション」は敷地面積が802m2で、水素充填機を1台設置している。この充填機は最大で82MPaの圧力で水素を充填する能力を持つ。トヨタ自動車の「MIRAI」や本田技研工業の「CLARITY FUEL CELL」といった国産の燃料電池車は充填圧力を70MPaとしているので、十分対応できる能力だ。トヨタ自動車が2月末に東京都交通局に納車した燃料電池バス「トヨタFCバス」も充填圧力を70MPaとしているので、バスへの充填も可能だ。燃料電池車なら1時間におよそ6台を満充填できる。販売する水素は、別の施設で生成し、圧縮して水素トレーラーなどで運び込む。
図 「横浜綱島水素ステーション」の水素充填機
出所 JXエネルギー
今回開設した水素ステーションはJXエネルギーやパナソニック、野村不動産など10団体が企業跡地を利用して推進している「Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン」内に位置している。個々の建物エネルギー使用状況を管理するシステムの導入など、エネルギー活用に関する実験的な取り組みの場となっている。同時に、最先端のエネルギー活用技術に関する情報を広くアピールする場ともなっている。2018年度にすべての施設が完成し「まちびらき」となる予定だ。
JXエネルギーが今回開設した横浜綱島水素ステーションも、情報発信の場を併設している。ステーション内のショールーム「スイソテラス」では、エネルギーとしての水素の特性を紹介するシアターや、水素充填を疑似体験できる設備、水素ステーション関連設備の模型などを設置している。
図 「横浜綱島水素ステーション」に併設する「スイソテラス」の様子
出所 JXエネルギー
JXエネルギーは今後、水素の「製造」「輸送」「販売」の効率良く進めるビジネスモデルの構築に取り組んでいくとしている。
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JXエネルギー