[ニュース]

EVベンチャーFaraday Futureが、市販予定の試作EVで過酷なヒルクライムレースに挑戦

2017/06/09
(金)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカFaraday Future社は、同社が開発中の市販向け電気自動車「FF 91」の試作車でレースに出場すると発表した。

アメリカFaraday Future社は2017年6月5日(現地時間)、同社が開発中の市販向け電気自動車(EV)「FF 91」の試作車でレースに出場すると発表した。Faraday Future社は2014年4月創立のベンチャー企業で、これまでは電気自動車だけが参加するレース「Formula E」に参加する専用車の開発に参加したり、レース専用EVのコンセプトモデル「FFZERO1 Concept」を発表するなど、一般販売を前提としないEVを開発していた。

図 レースに出場する「FF 91」の試作車

図 レースに出場する「FF 91」の試作車

出所 Faraday Future社

そのFaraday Future社は2017年1月3日、「2017 Consumer Electronics Show」の会場で、一般販売を前提としたEV「FF 91」を発表した。ただし、一般販売を前提としているとはいえ、レース用の自動車を開発してきた企業が企画した車だ。その性能は一般的な自動車のレベルを超えている。

発表時に明らかになった仕様によると、モーターの最大出力は783kW(1050馬力)。4輪駆動で、停車状態から時速60マイル(時速約97km)まで2.39秒で加速するという。この記録は市販の電気自動車では最速だとしている。

電源となるリチウムイオン蓄電池は韓国LG Chem社から供給を受ける。1台の車両に蓄電容量が130kWhの蓄電池を搭載する。満充電状態からの走行距離は378マイル(約600.8km)を超える。ただしこれはアメリカ合衆国環境保護庁(United States Environmental Protection Agency:EPA)が定める方法で測定したもので、ヨーロッパにおける標準的な計測法である「New European Driving Cycle(NEDC)」に従って計測すると、走行距離は700kmを超えるという。

現在、Faraday Future社はFF 91を2018年に発売するために開発を進めているが、その過程で性能検証の意味も込めてレースに出場することになった。出場するレースは「The Pikes Peak International Hill Climb」。今年は6月19日から1週間にわたって開催予定となっている。

The Pikes Peak International Hill Climbの会場は、コロラド州にある山岳「Pikes Peak」。山頂の標高は1万4115フィート(約4302m)にも達する。スタート地点の標高は9390フィート(約2862m)で、ゴールとなる山頂までの標高差は4325フィート(約1318km)。この間を156の急カーブをすり抜けながら、全長12.42マイル(約20km)のコースを上り続けるレースだ。平均斜度は7%で、最大で10.5%にもなる。

The Pikes Peak International Hill Climbの主催者によると、標高が高くなるにつれて空気が薄くなるため、空気とガソリンを合わせて燃焼させるガソリンエンジンは、エンジン出力がおよそ30%低下するという。悪条件で上り続けるために何とかエンジン出力を維持しなければならない厳しいレースだ。

The Pikes Peak International Hill Climbのこれまでの最速記録は、2013年にフランスのセバスチャン・ローブ(Sébastien Loeb)選手がマークした8分13秒878。この時ローブ選手はフランスPeugeot社の乗用車「Peugeot 208」を改造した「Peugeot 208 T16 Pikes Peak」に乗っていた。この自動車は、標準で搭載している直列4気筒、排気量1400ccのエンジンに代えて、V型6気筒、排気量3200ccのエンジンにターボチャージャーを2つ搭載したエンジンを載せていた。このエンジンの出力は最大で875馬力になるという。さらに、4輪駆動に改造している。

Faraday Future社は、FF 91の試作車でThe Pikes Peak International Hill Climbに出場するにあたって、同社の主席エンジニアであるRobin Shute氏をドライバーに指名している。Shute氏は、エンジニアとして活動しながらプロの自動車レーサーとしても活動している人物だ。今回、FF 91はレース本番ではなく、エキジビションとして出場することになっているが、よい結果が期待できそうだ。

Faraday Future社は、今回の挑戦を通してFF 91の性能を検証することで、2018年に発売予定の市販車をよりレベルの高いものにできると期待している。


■リンク
Faraday Future社

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
 2015年頃より、IoT(InternetofThings)や人工知能(AI)が注目され始め、これらの技術を使って家電や自動車などあらゆるモノがネットワークにつながり、効率的な社会を創造することが期...
 いよいよ日本でも、IoT時代に必須のLPWA(Low Power wide Area、省電力型広域無線網)サービスがスタートします。  第4次産業革命に向けて、エネルギー、ヘルスケア、製造業、...
 NIST(米国国立標準技術研究所)が2009年11月に立ち上げた委員会「SGIP」(スマートグリッド相互運用性パネル)は、2013年にSGIP 2.0となり、新たな活動を展開している。  SG...