ニフティは2016年10月25日、IoTシステムに必要な機能をクラウドで提供する「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」で新機能の提供を始めた。ニフティクラウドIoTプラットフォームはニフティが2015年5月から提供しているもので、MQTT(MQ Telemetry Transport)による通信機能などを提供していた。
図 ニフティが今回提供を始める機能
出所 ニフティ
今回提供を始める機能は2つ。1つ目は「ニフティクラウドIoTデバイスハブ」。IoT機器やユーザーアカウントを管理する機能、機器からデータを収集する機能や、機器を制御する機能などを提供する。利用するには、IoT機器にニフティが提供するSDKを組み込んで、クラウドとの間で認証を済ませる必要がある。
デバイスハブとIoT機器の間はREST APIで通信する。さらに、IoT機器はデバイスハブに対してWebSocket接続を確立するので、デバイスハブ側からのコマンドやイベントをリアルタイムで受信できる。
デバイスを操作するスマートフォンアプリを、デバイスハブに接続することもできる。スマートフォンアプリとデバイスハブはやはりREST APIで通信する。そして、スマートフォンアプリがデバイスハブに対してWebSocketで接続する。IoT機器と同様にリアルタイムでコマンドやイベントを受信できる。
利用料金は接続するIoT機器の数によって変わる。1台~5台までは無料で、6台~100台の場合は1台当たり300円/月(税別:以下同様)。101台~500台までになると、1台当たり200円/月で、501台以上では1台当たり100円/月となる。
2つ目の新機能は「ニフティクラウド スクリプト」。クラウド上でJavaScriptを作成し、実行するものだ。IoT機器から収集したデータをMySQLやPostgreSQLといったリレーショナルデータベース管理システムに自動的に保存するようにしたり、保存前にデータを加工するといった用途に利用できる。
利用料金はスクリプトの実行回数と処理にかかった時間で決まる。実行回数が1カ月に1万回までなら1000円。以降、1万回を超えると1万回ごとに1000円かかる。これに加えてスクリプトの処理にかかった時間に応じた額が必要だ。処理時間については、1カ月に1000秒までなら300円、以降1000秒ごとに300円かかる。つまり、最低でも1カ月に1300円かかるということになる。
以上2つの機能は正式版として追加となる。ニフティは今回さらに、アルファ版やベータ版のサービスの無料提供も始めた。
アルファ版として提供する新サービスは「ニフティクラウド Machine Learning」。IoT機器から収集した膨大なデータを材料に機械学習を実行できる。機器の稼働状況のログを分析して、異常が発生するタイミングを予測するなどの使い方が考えられる。教師あり学習に対応しており、分析モデルをGUIで容易に構築できるように工夫してある。正式版は2017年春に提供を始める予定。
ベータ版として提供するのは「ニフティクラウド Data Visualizer」。ニフティクラウド上のデータベースやストレージに蓄積したデータをグラフなどの見やすい形に加工することができる。正式版は2017年春に提供を始める予定。
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