KDDIは2017年2月20日、同社のクラウドを活用した新しいIoTサービス「KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~」と「KDDI IoTクラウド ~トイレ節水管理~」を発表した。3月以降に提供開始の予定。
KDDI IoTクラウド ~トイレ空室管理~は、トイレの個室の空き状況をスマートフォンやパソコンのWebブラウザで可能にするサービス。トイレの個室の扉にBluetooth Low Energy(BLE)や無線LANの通信機能を持つ磁力センサーを取り付け、空き状況を検知して、BLE(無線LAN)のゲートウェイに送信する。ゲートウェイはLTEでクラウドに情報を送信する。空き状況をWebブラウザで確認可能とすることで、空室をすぐに探すことが可能になり、空室待ちの時間を短縮できる。
Webブラウザでクラウドのサーバーにアクセスすると、トイレの場所と空き状況を確認できる。また、管理者向けには1時間ごとの利用状況や、日ごとの利用状況を示す画面を提供する。このデータを参考にすることで、空きが多い時間を狙って清掃するようにスケジュールを組むなど、効率の良い運用が可能になる。
利用するには個室1室につき、1つのセンサーを設置する必要がある。また、トイレ1カ所当たりに1台のゲートウェイも必要になる。例えば、1階に、個室が5つある男子トイレと、個室が7つある女子トイレがある場合は、センサーが12個、ゲートウェイが2台必要だ。センサーとゲートウェイはKDDIが貸し出す形になる。貸し出し料金は、センサーが1つ当たり月額450円(税別:以下同様)で、ゲートウェイが1台当たり4600円。最低でも2年間の継続契約が必要。LTE通信費用は別途発生する。このほかに、センサー設置前の現地調査、センサー設置、アプリケーションのカスタマイズなどが必要な場合、別途料金がかかる。
KDDI IoTクラウド ~トイレ節水管理~は、トイレの「フラッシュバルブ」と人感センサーをトイレの個室に取り付けて利用する。フラッシュバルブとは、トイレ利用後に操作することで水を流すバルブだ。人感センサーで利用者の滞在時間を検知し、滞在時間に応じて、流す水の量を調節する。利用後に流す操作を忘れた場合に、自動的に流すようにも設定できる。
図 KDDI IoTクラウド ~トイレ節水管理~のサービス模式図。人感センサーで検知した滞在時間に応じて流す水の量を調節するほか、流した水の総計などのデータをクラウドにアクセすることで確認できる
出所 KDDI
フラッシュバルブには、流した水の量を検知するセンサーが付いており、このデータはクラウドに送信する。管理者はWebブラウザでクラウドにアクセスすることで、流した水の累計を示すグラフを確認できる。また、センサーによって流す水の量を調節することで、どれくらい節水できたのかを示すグラフも確認できる。
利用するにはKDDIからフラッシュバルブの貸し出しを受ける必要がある。フラッシュバルブの利用料は1つに付き月額2300円~6000円。設置前にKDDIが現地を調査し、利用希望者との話し合いで設置台数や契約年数を決め、月に支払う料金の総額を確定させる。
KDDIはどちらのサービスも、オフィスビルのほか、駅構内、商業施設、学校、スタジアムなどの大型施設、ホテル、病院などでの利用を想定している。
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KDDI