JFEエンジニアリングは2017年4月12日、福島ガス発電株式会社から液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)気化設備などの増設工事を受注したと発表した。福島ガス発電株式会社は石油資源開発、三井物産、大阪ガス、三菱ガス化学、北海道電力が共同出資して設立した会社で、福島県相馬郡の相馬港にLNGを燃料とした火力発電所の建設手続きを進めている。共同設立に参加した5社は2016年10月に、相馬港にLNG火力発電所を建設することで合意している(関連記事)。
火力発電所は2017年半ばに建設を開始し、2020年春に商業運転を開始する予定となっている。発電所にはコンバインドサイクル方式の発電設備2基を設置する予定。出力は1基当たり59万kW。合計で118万kWになる計算だ。現在、石油資源開発が発電所に隣接する「JAPEX相馬LNG基地」に23キロリットル規模のLNG貯蔵タンクやLNG気化設備などを建設しており、2018年3月には操業開始となる予定。
今回JFEエンジニアリングが受注した工事は、JAPEX相馬LNG基地の気化能力を補強するもの。発電所に十分なLNGを供給するための工事といえる。2018年春に建設を開始し、発電所と同じく2020年春に運転開始の予定。
図 相馬港のLNG火力発電所とLNG基地の完成予想図。赤枠で囲んであるところがJFEエンジニアリングが受注した部分
出所 JFEエンジニアリング
相馬港のLNG基地については、JFEエンジニアリングはもう1つ大きな工事を受注している。相馬港からのガスを宮城県岩沼市まで送る約40kmのパイプラインの建設だ。岩沼市には石油資源開発が運営するパイプラインが通っており、そのパイプラインに接続する。現在、石油資源開発が運営しているパイプラインは新潟と仙台を結んでおり、新潟県のガス田からのガスや、日本海岸のLNG基地に船便で到着したLNGを太平洋岸まで送る機能を果たしている。相馬港からのガスがこのパイプラインに通るようになれば、東北のLNG供給体制がより安定するだろう。相馬港から岩沼市へのパイプラインは2017年度中に完成の予定となっている。
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JFEエンジニアリング