建設業のGHG排出量の算定・可視化を支援するサービス開始
株式会社ネクストフィールド(以下、ネクストフィールド)と伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(以下、伊藤忠丸紅鉄鋼)、NTTドコモビジネス株式会社(以下、NTTドコモビジネス)の3社は、建設業のGHG(温室効果ガス)排出量の算定・可視化から、その後のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略立案や情報開示までを支援するサービス「建設GXソリューション」を2025年8月19日に開始した。3社が同日に発表した。
可視化から戦略立案、情報開示までを支援
建設GXソリューションでは、「建設現場情報収集効率化支援サービス」「GHGの排出量可視化サービス」「GXコンサルティングサービス」という3つのサービスを提供する。
建設現場情報収集効率化支援サービスでは、建設現場でのGHG算定に関わる情報収集を効率化するための提案に加え、運用の支援にも対応する。
GHGの排出量可視化サービスでは、建設現場のデータから取引先からの一次データ注1までを活用し建設サプライチェーン全体のGHGの排出量算定し、可視化・分析する。NTTドコモビジネスが開発し、伊藤忠丸紅鉄鋼が提供するGHG排出量可視化サービス「MIeCO2」を使用する。
GXコンサルティングサービスでは、排出量算定関連の業務を支援する。建築物の輸送や建設、修繕、廃棄・リサイクルなどの運用以外で排出される温室効果ガスいわゆる「エンボディードカーボン」の算定にも対応する。さらに、CDP注2やTCFD注3の情報開示、SBT注4認定取得、GHG排出量削減支援、カーボンクレジット注5の創出・活用、GX戦略立案や情報開示も支援する。
伊藤忠丸紅鉄鋼がMIeCO2のシステム提供とGXコンサルティング支援を担当し、NTTドコモビジネスが同システムやデータ収集効率化するための機能を開発する。ネクストフィールドが全体の提供窓口、建設現場からの情報収集を担当する。
ネクストフィールドと伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTドコモビジネスは、2024年11月に建設業界向けの脱炭素化ソリューションについて検討を開始し、今回、建設GXソリューションを開発した。今後、飛島建設株式会社に先行導入する予定。また、ネクストフィールドの「建設現場DXサービスe-Stand」をはじめとする建設業界向けの外部サービスと連携し、建設現場のデータ収集の効率化を進める。
NTTドコモビジネスによれば、建設業がGHG排出量を削減するためには、建設現場の重機の利用状況や電気の使用量などの情報、取引先からの資材重量などの一次データの収集とその効率化が必要になる。
注1:一次データ:算定主体である事業者が、自らの責任で測定・収集するデータや、外部ステークホルダーへの聞き取り調査などを通じて収集したデータ。
注2:CDP:Carbon Disclosure Projectの略称。投資家、企業、国家などが環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営する非政府組織(NGO)。
注3:TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)の略称。企業の気候変動への取り組みに関する財務情報開示の枠組み。
注4:SBT:Science Based Targetsの略称。パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠に基づく企業の温室効果ガス排出削減目標。
注5:カーボンクレジット:温室効果ガス排出削減量を取引可能な価値として認証する仕組み。
参考サイト
NTTドコモビジネス株式会社 ニュース 2025年8月19日、「ネクストフィールド、伊藤忠丸紅鉄鋼、NTTドコモビジネスが建設業界の脱炭素化に向けた建設GXソリューションの提供を開始」