ZMPは2017年6月15日、自動運転タクシーの配車にも対応したスマートフォン向けアプリケーションを開発するためにタクシー事業者である日の丸交通と協業すると発表した。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に自動運転タクシーを走行させるために、自動運転タクシーにも対応するタクシー利用者向け配車アプリケーションを開発する。
図 自動走行タクシーのイメージとなる車両。日の丸交通の行灯が付いている
出所 ZMP
ZMPはまず、従来の運転手が運転するタクシーに対応する配車アプリケーションの開発を進め、早期に実用化することを目指す。その後、アプリケーションを実際に日の丸交通が運用しながら、ZMPはアプリケーションを自動運転タクシーに対応させる。アプリケーション開発では、日の丸交通がタクシー事業の運営で蓄積してきたノウハウを反映させる予定だ。
ZMPは以前から東京オリンピック・パラリンピック開催までに自動運転タクシーを運行させることを目指して、自動運転技術の開発に取り組んできた。一方の日の丸交通は現在抱えている問題の解決に自動運転タクシーが役立つのではないかと期待している。
タクシー業界では運転手の高齢化が進んでいる上に、人手不足が大きな課題となっている。そこで、自動運転タクシーを活用すれば、運転手は少なくてもタクシー事業を運営していける可能性がある。
自動運転技術のうち最高レベルとなるレベル5に準拠する車両は、自動運転であらゆる道路を走行していけるが、2020年までにレベル5の自動運転車両をタクシーとして運行できる可能性は現在のところ低いと言わざるを得ない。ZMPが2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に運行することを目指す自動運転タクシーは、レベル4の自動運転車となる可能性が高い。
レベル4の自動運転車は、政府が認める道路でのみ自動運転が可能となる予定だ。自動運転タクシーが実現したら、自動運転が可能な地域の運行には自動運転タクシーを配車し、自動運転ができない地域には運転手付きの車両を配車するという使い分けが想定できる。タクシー事業者はこのように自動運転タクシーを活用することで、人手不足の問題に対応でき、運転手にかかるコスト削減もできる。削減したコストでサービス向上を目指すことも可能だ。
ZMPと日の丸交通は、今回共同開発する配車アプリケーションをほかのタクシー事業者も利用することも想定しており、利用を希望するタクシー事業者を広く募っていくとしている。