ZMPは2017年2月6日、同社が開発した自動運転車の公道での試験の成果を発表した。同社は2014年に愛知県名古屋市で公道上の自動運転の実証を初めて以来、条件を複雑にしながら、実証実験を続けている。最新の実験では、片側4車線の混雑路で車線変更までできるようになっているという。
2月~3月には、神奈川県藤沢市で同社の技術を利用した自動運転の実証実験を、ロボットタクシー株式会社が実施している。また2016年5月からはZMP自身が、文京区の公道で自動運転の実験を続けている。道幅が狭く、路上駐車する車両も多く、歩行者も多い、典型的な都市部の交通環境で、交通状況を把握しながら実験を続けているという。
その後、2016年10月からは東京都港区台場を中心とする「お台場」地域で公道実験を始めた。実験に使用しているのは同社が開発、販売している自動運転車「RoboCar MiniVan」。トヨタ自動車の「エスティマハイブリッド」に、レーザースキャナ、ステレオカメラ、単眼カメラ、GPS/慣性センサーといった周辺の物体を検知するためのセンサーに加えて、独自開発の車載コンピュータ「IZAC」を搭載した車両だ。
図 ZMPの自動運転車「RoboCar MiniVan」
出所 ZMP
お台場には、片側4車線で交通量が非常に多く、トラックやトレーラーといった大型車両が数多く走っている公道がある。10月からの実験では、この道路にも進入した。車線変更、信号認識、右左折といった操作をさせてみたところ、問題なく完了させたという。さらに、お台場エリアにあるテレビ局、ホテル、温泉施設、科学館などをおよそ25分間かけて周る観光コースを人を乗せて走行する実験も問題なく成功したとしている。
図 お台場の片側4車線の道路を、自動運転車の中から見たところ。交通量が多いだけでなく、大型車両が多く走行しているので、人間が運転しても怖さを感じるところだ
出所 ZMP
これまでに説明してきた自動運転実験は、自動運転ではあるものの、いざという時のために運転席に運転車が座った状態で実施していた。自動運転レベルで言えば「レベル3」の状態だ。現行の法律では、運転車がいない状態の自動運転車が公道を走れないという事情もある。
ZMPは現在、完全な自動運転である「レベル4」での実験を計画している。2017年度中の実験実施を予定しているが、これが公道でのものになるのか、あるいはテストコースでのものになるのかは未定だとしている。法改正が進んで、公道でのレベル4の自動運転が可能になれば公道で実施したいという意向を明かしている。
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ZMP