アメリカAES Distributed Energyは2019年1月8日(アメリカ山岳部標準時間)、アメリカ・ハワイ州カウアイ島で建設中だった蓄電池併設メガソーラー「Lāwa'i Solar and Energy Storage facility」が完成し、運転を開始したと発表した。AES Distributed Energyはアメリカのエネルギー大手AESの子会社で、メガソーラー事業を手がけている。
図 AES Distributed Energyが建設した蓄電池併設メガソーラー「Lāwa'i Solar and Energy Storage facility」
出所 AES Distributed Energy
新設のメガソーラーは、カウアイ島南海岸にあるLāwaʻi(ラワイ)とKōloa(コロア)にまたがる155エーカー(約627m2)の土地に建設した。メガソーラーの最大出力は28MW(2万8000kW)で、蓄電容量100MWh(10万kWh)の蓄電池を併設している。このメガソーラーだけで、カウアイ島の電力需要のおよそ11%を供給できるという。AES Distributed Energyは、このメガソーラーで発電した電力を1kWh当たり11セント(11.9031円:1セント=1.0821円で換算)で供給するとしている。この価格はカウアイ島で使用しているディーゼル発電機で発電した電力価格よりも安く、メガソーラーから電力供給が始まったことで、ディーゼル発電機の燃料を年間でおよそ370万ガロン(約1400万6024リットル)節約できる見込みだという。
併設の蓄電池は、日射量が多い時間帯にメガソーラーが発電した電力を充電し、電力需要がピークに達する時間帯に充電した電力を送電網に供給し、電力需要の急増に対応する。さらに、送電網の送電周波数や送電電圧が乱れたときに電力を流し、正常に戻すサービスも提供する。
AES Distributed Energyは現在、カウアイ島西海岸のバーキング・サンズ(Barking Sands)にある「太平洋ミサイル試射場(PMRF:Pacific Missile Range Facility)」内の敷地をアメリカ国防総省から賃借し、19.3MW(1万9300kW)のメガソーラーに蓄電容量70MWh(7万kWh)の蓄電池を併設した施設を建設中で、2019年末に完成する予定だ。この施設が稼働を始めたら、カウアイ島の電力需要のうちおよそ70%を再生可能エネルギーで発電できるようになる見込み。ちなみにハワイ州は2045年までに、州内で消費する電力を100%再生可能エネルギー由来のものにするという目標を掲げている。