NTTドコモとSOMPOケアネクストは2017年1月16日、老人ホーム入居者の環境データなどを収集して、健康状態改善を目指す実証実験を実施すると発表した。神奈川県の「住宅環境における未病関連商品・サービスの市場化」の実証プロジェクトとして実施するもの。実験の場所はSONPOケアネクストが運営する介護付有料老人ホーム「SOMPOケア ラヴィーレ葉山」。
実験では、入居者が身に付けるウェアラブルセンサーで睡眠状態、歩数、消費カロリーのデータを集め、計器を使って集める血圧、体重、体温といったデータや、居室に取り付けたセンサーで収集する温度、湿度、照度のそれぞれのデータをサーバーに蓄積し、担当者が一人ひとりのデータを見て、健康状態改善につながるアドバイスを送る。
データの収集にはNTTドコモのスマートフォンを活用する。「デバイスコネクトWebAPI」を通して、スマートフォンと各種センサーや計器と通信し、計測データをLTE網経由でサーバーに送る。センサーや計器との無線通信にはBluetoothを利用する。
デバイスコネクトWebAPIは、NTTドコモが開発したAPI仕様で、スマートフォンがウェアラブル機器やIoT機器と簡単に通信できる環境を作ることを目的としたもの。ソフトバンクモバイルやオムロン、日本マイクロソフトなどの企業と共同で普及活動を展開している。2017年1月16日の時点で、このAPIに対応する機器は、エアコン、テレビ、カメラ、血圧計、体重計、心拍計など68製品。
図 今回の実験の概要。利用する機器と通信方法を示している
出所 NTTドコモ
実験期間は2017年1月16日(月)~3月17日(金)。実験終了後は、入居者の健康に対する意識の高まり度合いや、健康状態改善のためにアドバイスした活動の継続度合いなどを評価し、課題を抽出する。さらに、入居者や介護職員からのユーザビリティ評価を受け、商用化に向けて検討する。
NTTドコモとSONPOケアネクストは、今回の実験を通して得たノウハウを活かして、まずは神奈川県内での普及を目指す。さらに全国に展開することで、健康的な生活を送れる社会の実現を目指すとしている。