ALSOKは2017年5月15日、老人の外出/帰宅を検出するシステムの一般販売を開始すると発表した。6月15日に発売の予定。ALSOCは、行方不明になった認知症患者の居所を探ることを目的とした実証実験を実施しているが、実証実験の対象地域外からも、実験に使用している機器、システムの発売を求める声が大きくなったため、一般販売に踏み切った。さらに、在宅の高齢者の様子を検知するサービスも加えて提供する。
ALSOKが提供するシステムの中でも、最も基本的なものは、高齢者などに携帯してもらう「みまもりタグ」と、高齢者宅の玄関などに設置する「みまもりタグ感知器」だ。みまもりタグはBluetooth通信機能を持ち、ボタン電池で長期間動作が可能な作りになっている。そして、みまもりタグには、個々の個体を識別するIDが振ってある。
みまもりタグ感知器は、玄関などに設置することで、高齢者が持つみまもりタグが発するBluetoothの信号を受信し、高齢者が外出、帰宅したことを感知する。外出や帰宅を感知したら、離れて暮らす家族や、介助者にメールやスマートフォンへのプッシュ通知で知らせる。みまもりタグに振ってあるIDから、誰が外出したのか、誰が帰宅したのかを識別することが可能。
図 「みまもりタグ」(左)と、「みまもりタグ感知器」(右)
出所 ALSOK
みまもりタグの使用料金は、初期費用としてみまもりタグの買取費用が2200円(税別:以下同様)が発生するほかは、月額使用料金が250円。みまもりタグ感知器の使用料金は初期費用の機器買取価格が2万3000円、月額使用料が400円。みまもりタグ感知器は、機器を買い取らず、レンタルで運用することも可能。月々のレンタル料金は1400円。
さらにALSOKは、みまもりタグ感知器の機能を利用したサービス「みまもりパック」も提供する。みまもりタグを携帯した高齢者の外出/帰宅を知らせるだけでなく、一定の時間センサーに反応がないときは、高齢者が動けなくなっている可能性があると判断して、家族などの保護者に連絡する。さらに、みまもりタグ感知器が備える温湿度計を利用して、室内の温湿度が事前に設定したしきい値を超えたら、熱中症や脱水状態の危険があると判断してで保護者に連絡する。さらに、異常を知らせる連絡を受けた保護者がALSOKに依頼すると、ALSOKの警備員が現場に駆けつけるサービスも提供する。
みまもりパックの提供料金は月額2000円。みまもりタグとみまもりタグ感知器1台ずつの連絡料金を含む。さらに、警備員の出動を要請した場合は、出動1回につき3000円かかる。
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