水素ステーションへの期待と今後の展開
まだ、FCVは実用化が始まったばかりである。今後、国内ではトヨタ自動車に続いて、本田技研工業が2015年度中に、日産自動車が2017年に発売予定を発表している。さらに、自動車業界のFCVに関する国際的な協力体制も相次いで発表されている。
また、政府は2014年6月に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」(本誌2015年4月号参照)を策定しているが、このロードマップでは、2015年度内に4大都市を中心に100カ所程度の水素供給ステーションの整備を打ち出している。
さらに、産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所では、2020年を目指して、再生可能エネルギーによる世界初の水素供給システムの実証試験をスタートさせた。水素を巡るダイナミックな展開は、地球温暖化対策が急務とされていることなどを背景に、国際的に研究開発が加速されており、その期待はますます大きくなってきている。
◎取材協力
池田 耕一郎(いけだ こういちろう)
大阪ガス株式会社 エンジニアリング部 プロセス技術チーム 課長
1991年 大阪大学工学部電子制御機械工学科を卒業。
1991年 大阪ガス株式会社に入社。
1991年 大阪ガスエンジニアリング株式会社に出向。LPGなどから都市ガスを製造する装置やLNG基地設備の建設プロジェクトに従事。
1998年 大阪ガス株式会社 エンジニアリング部に帰社。LNG冷熱利用設備の建設プロジェクトなどに従事。
2011年より現職。水素製造装置開発プロジェクト、および水素ステーション建設プロジェクトリーダーとして従事。