[ニュース]

ホンダ、太陽光発電を利用した水素ステーションの実証実験を開始

2016/10/24
(月)
SmartGridニューズレター編集部

本田技研工業は、太陽光発電システムの電力で水素を製造する水素ステーションを設置し、実証実験を開始した。

本田技研工業は2016年10月24日、太陽光発電システムの電力で水素を製造する水素ステーションを東京都江東区青海に設置し、実証実験を開始した。

図 実証実験に使う水素ステーションのイメージ

図 実証実験に使う水素ステーションのイメージ

出所 本田技研工業

この実験に使う水素ステーションは、同社独自の「高圧水分解システム」を採用しており、圧縮機を使うことなく70MPa(メガパスカル)の圧力で水素を作ることができる。製造可能な量は24時間で最大2.5kgで、ステーションには約18kg貯蔵可能。自動車に水素を充填する圧力は70MPa。同社の従来型に比べて、設置面積を縮小しながら、水素充填圧力を35MPaから70MPaに向上させた。

今回の実験は、同社が用意した燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL」を1台だけ使って実施する。この自動車は圧力35MPaで水素を充填すると、走行可能な距離は450kmほどになるが、今回の実験に使う70MPaのステーションで充填すれば、約750km走行できる。

ステーションには、出力20kWの太陽光発電システムを設置してある。検証では、太陽光発電システムによる電力で安定して水素を製造することができるか、充填圧力70MPaのステーションを安定稼働させることができるかを検証する。

また、水素の製造コストも検証する。ステーションには商用電源もつながっており、夜間や天候不順時など、太陽光発電システムの稼働を期待できないときは、商用電源で水素を製造する。太陽光発電システムが発電する余剰電力を売電し、水素製造にかかった商用電源のコストと、売電で得られた収益を比較して検証する。

さらに、可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」をCLARITY FUEL CELLに接続して電力を供給して、移動可能な発電設備としてどれほど役立つかということも検証する。加えて、この実験全体のCO2削減効果も検証する。


■リンク
本田技研工業

TOPに戻る
最新ニュース一覧

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...