台湾Advantech社と京セラコミュニケーションシステムは2017年6月7日、SIGFOX普及を目指して協業すると発表した。Advantech社は産業向けコンピュータで世界トップシェアを誇る企業で、IoTシステム向けゲートウェイや、組み込み向けIoT通信モジュールなども製品化している。京セラコミュニケーションシステムは、IoT端末向けの無線通信サービス「SIGFOX」の提供を始めている(関連記事)。
今回の協業でAdvantech社は、「M2.COM」規格に準拠したSIGFOX通信モジュールを開発し、日本向けに供給を始める。M2.COMは、パソコン用SSD(Solid State Drive)の接続端子として普及している「M.2」を産業機器向けモジュールの接続端子に流用した規格だ。パソコン向けに広く普及いているM.2端子を利用できるので、部品価格を安くすることができるなどの特徴がある。Advantech社はすでにM2.COM対応通信モジュールとして無線LANモジュール「WISE-1520」、LoRa対応モジュール「WISE-1510」を製品化している。
図 Advantech社のM2.COM対応通信モジュールの例。写真は無線LANに対応する「WISE-1520」
出所 Advantech社
京セラコミュニケーションシステムは、M2.COM対応のSIGFOX通信モジュールが登場することで、ゲートウェイなどの組込みシステムにSIGFOX通信機能を搭載する企業が増えると考えているようだ。産業向けコンピュータで世界トップシェアを誇るAdvantech社がモジュールを開発すれば、産業向けシステムにSIGFOXが浸透していくことも十分に考えられるだろう。
さらにAdvantech社と京セラコミュニケーションシステムは、M2.COM対応通信モジュールとSIGFOXネットワークを組み合せて、新規顧客に提案していくとしている。この動きは日本に限るものではなく、シンガポール、台湾に京セラコミュニケーションシステムが設立した子会社も協力する、シンガポールにおいては、現地でSIGFOXネットワークを展開しているUnaBiz社とも協力するとしている。M2.COM対応モジュールを通してネットワークにつながるセンサーの台数を2020年までに100万台規模に伸ばすことを目標に掲げている。