General Motorsと本田技研工業は2018年6月7日、次世代リチウムイオン蓄電池の開発などで協業すると発表した。General Motorsが現在開発中の次世代リチウムイオン蓄電池を基に、両社が共同でさらに性能が高い蓄電池を開発する。この蓄電池は将来、両社が北米向けに投入する車両に搭載する予定で、従来のリチウムイオン蓄電池に比べてエネルギー密度が高く、小型で、充電時間が短くなるという。
共同開発の範囲は蓄電池セルのほか、セルを束ねたモジュール、そして自動車に搭載するコンポーネントまでと幅広い。開発完了後は、General Motorsが蓄電池モジュールを生産し、本田技研工業に供給することも検討しているという。共同開発と、両社向けの蓄電池をGeneral Motorsが生産することで、生産個数が増えることによるスケールメリットと、生産効率向上を狙っている。
図 デトロイト市南部のブラウンズタウンにあるGeneral Motorsの工場、同社の電動車に搭載する蓄電池モジュールを生産している
出所 General Motors
General Motorsは2017年1月末に、燃料電池量産に向けて折半出資で合弁会社「Fuel Cell System Manufacturing,LLC」を設立しており、今回の協業はこれに続くものと言える。ちなみに、燃料電池量産に向けて設立した合弁会社は、2020年ごろを目処に燃料電池の生産を始める予定となっている。
General Motorsの上級副社長で、グローバル製品開発・購買・サプライチェーン担当のMark Reuss氏は「今回、本田技研工業と新たな提携に至ったことは、General Motorsが利益を出せる電動車のラインナップを展開できる能力を持っていることに証だと思います」と、自社の電動車開発技術に自信を見せている。そして、「本田技研工業の先端的な自動車を開発する能力が加わることで、消費者により良い商品を提供し、ゼロエミッション社会の実現に貢献できるでしょう」と語っている。