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東芝と双日、ブラジル企業と共同でリチウムイオン蓄電池用次世代負極材を開発へ

2018/06/19
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

東芝インフラシステムズ、双日、ブラジルCompanhia Brasileira de Metalurgia e Mineraçãoは、リチウムイオン蓄電池用の次世代負極材を共同で開発すると発表した。

東芝インフラシステムズ、双日、ブラジルCompanhia Brasileira de Metalurgia e Mineração(CBMM:カンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン)は2018年6月19日、リチウムイオン蓄電池用の次世代負極材を共同で開発すると発表した。具体的には東芝が開発したリチウムイオン蓄電池「SCiB」の次世代品(2017年10月に発表:参考記事)で使用したチタン酸ニオブ系酸化物(Niobium Titanium Oxide:NTO)を材料として使用する負極材を開発する。

図 次世代「SCiB」の試作品。蓄電容量は50Ah

図 次世代「SCiB」の試作品。蓄電容量は50Ah

出所 東芝

東芝が開発した試作品は、従来品に比べてエネルギー密度が2倍に上がり、充放電を5000回繰り返しても新品状態に比べて90%の蓄電容量を維持する。東芝の試算では、新開発のSCiBを電気自動車(EV)に搭載すると、わずか6分間の急速充電で約320km走行できるだけの電力を充電できるという。

CBMMはNTOの材料となるニオブ(Nb)の生産量と販売量で世界1位に立つ企業であり、高い技術力と製品開発力を持つという。双日はCBMMの株式を保有しており、日本における総代理店を務めている。CBMMと双日は東芝インフラシステムズに五酸化ニオブ(Nb2O5)を供給する。

東芝インフラシステムズは供給を受けたNb2O5を使ってNTO電極を製造して、その性能を評価しながら安価で安定した品質の仕様を確立する。同時に材料の調達ルートを確立し、2020年度に次世代SCiBの量産化を開始するとしている。

エネルギー密度と急速充電性能が高く、充放電の繰り返しにも強い次世代SCiBは、EVの電源にうってつけの蓄電池だ。東芝インフラシステムズ、双日、CBMMはEV向けの需要を見込んで、NTOを使用する負極材の開発を加速させていくとしている。


■リンク
東芝インフラシステムズ
双日

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