IoTの新規格として注目されるIP500 Alliance(以下:IP500アライアンス、本部:ドイツ ベルリン)は、「IP500 Alliance Japan」(日本事務所:東京都港区、日本会長:Helmut Adamski)を2015年2月に発足した。今後、日本での会員拡大を図るとともに海外企業とも連携し、日本そしてアジア地域でのビジネス展開に向けた新しいビジネスモデルの構築を図る。
IP500は、IPv6ベースのインターオペラビリティを完全保証し、高いセキュリティーを実現した世界唯一のIoTメッシュネットワークの最新テクノロジーで、欧州ではすでに多くの大手産業系OEMなどが導入に向けた取り組みを行っている。また、ビジネスモデルを創出するプラットフォームとして世界各国で活動を展開している。
IP500は、EU域内の有力OEMやシステム・インテグレーター合計37社(2月現在)が企業連合(Alliance)を組んで開発中の、低コスト低消費電力で大規模ネットワークを構築できるインターネット回線センサーネットワークの無線通信規格である。主なメンバー企業はASSA ABLOY、BOSCH、GEZE、Honeywell、Siemens そして日本からはオムロン、豊田通商がすでにメンバーとして入会している。
同アライアンスでは、2015年春には日本で評価キットの発表を予定している。
また、2015年6月にスイスのLuganoで開催予定のIoT 3.0‐SmartCity M2M Revolutionの実験プロジェクトにIP500は8 件の関連アプリケーションで参画を予定している。
概要
- 使用する周波数帯域は、EUでは868MHz、米国では915MHzそして日本では915MHz/928MHzと、いずれもサブ1GHz周波数帯。
- 低コストで信頼性が高く大規模な無線センサーネットワークが主なアプリケーション。
- 具体的には、スマートハウスの情報通信システムなどHEMSや、セキュリティー(防犯防火)設備の一元遠隔制御、公共施設など複数のビルに張り巡らされた多様なセンサー網から送られてくるデータの一括管理システムなどでの利用を想定している。スマートグリッドを実現する無線通信規格としても注目されており、このほかプラントや工場の計測、制御分野、ホームオートメーションおよび各種産業分野、医療分野向けの管理、監視などの幅広い応用分野が期待されている。
- VdS(EUの防火防犯認定規則)が認定。この認定は無線通信の信頼の高さを証明になっており、セキュリティー(防犯防火)に対応することを大きな特色としている。
主な特徴
- Interoperability(相互接続性)
IP500はメッシュネットワークが基本となっている。すべてのデバイス間および他メッシュ以外の既存ネットワークとの完全相互接続が可能。
- Standard conformance(国際スタンダードに対応)
IEEE802.15.4-2006、IPv6、6LoWPAN、UDPおよびBACnetTMに対応。これによりネットワークコストの低減を実現。およびVdS(上記のとおり)に認定されたことで無線通信の信頼の高さが証明されている。
- Data Security(セキュリティーの高さ)
AES-128 機器間暗号化、IPsec エンドツーエンド暗号化で高いセキュリティーを実現している。※AES(Advanced Encryption Standard)は米国の新暗号規格。
- Data Rate 500kbps(高速データレート)
高速データレートによりセンサー動作時間が瞬時で済み、その分スリープが長くなる。この結果、センサー電池の持ちが向上して、さらに多くのセンサーを設置できる。
- Scalability(拡張性)
1つのIP500ネットワーク当たり、数千個までのセンサー網を構築可能。
- Low Power consumption(低消費電力)
近距離無線では最高効率の低消費電力を実現。電池動作で5~10年。ソーラーでも稼働可能。
- Mobility(モビリティの実現)
IP500をモバイル端末で利用可能。
- Location Based Service(位置情報サービス)
IP500モバイル所持者の位置情報把握が可能。
■リンク
IP500 Alliance Japan(アーキテクトグランドデザイン株式会社内)
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