IP500の技術仕様
IP500 Allianceは、スマートハウスやスマートビルディングにおいて、高セキュリティなIoTメッシュ無線通信規格であるIP500注2を普及する目的で2006年に設立された。本部のベルリン(ドイツ)をはじめ、ニューデリー(インド)、サンノゼ(米国)に続き、2015年2月に、日本支部が東京に設立された。
アライアンスの主な設立メンバーはBosch Security Systems、Siemens Building Technologies Division、Tyco、WAGOなどで、2015年10月現在、日本からはオムロン(株)、スタビリティ(株)、豊田通商(株)、富士通(株)、ローム(株)がメンバーとして参加しており、メンバー企業の総数は38社(2015年10月現在)となっている。
IP500は、メッシュネットワークの構築においてインターオペラビリティ(相互接続性)を確保するため、IP層にはIEEE 802.15.4を、IPv6との接続には6LowPANを、ビル向けの通信プロトコルとしてBACnet、セキュリティについては、EU策定の防火防犯認定規則であるVdS(Vertrauen durch Sicherheit、ドイツ語で「セキュリティによる信用」という意味、http://vds.de/en/)に準拠している。また、電池で5~10年稼働できる省電力性能を備えている。IP500のプロトコルスタックを、図1に示す。
図1 IP500のプロトコルスタック
出所 IP500資料より
IP通信をベースとする、IP500の通信可能距離とデータ通信速度は、図2に示す通りで、通信可能距離は約500m、データ通信速度は最大500kbps(目標:1 Mbps)となっている。周波数は、日本では915~928MHzのサブGHz帯を使用する。
図2 IP500の通信可能距離とデータ通信速度
出所 IP500発表資料より