需給管理と蓄電池制御のシステム連携に向けパートナー契約
ElecONE株式会社(以下、ElecONE)と株式会社Shizen Connect(以下、Shizen Connect)は、電力の需給管理システムと蓄電池の制御システムを連携したサービスを共同で提供するため、パートナー契約を締結した(図1)。同サービスにより、小売電気事業者が多大な初期投資を行うことなくアグリゲーション事業注1へ参入できるようにするという。2025年10月7日に発表した。
図1 ElecONEとShizen Connectの協業スキーム
出所 株式会社Shizen Connect プレスリリース 2025年10月7日、「ElecONEとShizen Connectがパートナー契約を締結、系統用蓄電池制御のワンストップ型ソリューションの共同提供へ」
小売電気事業者のアグリゲーション事業参入を支援
ElecONEは、小売電気事業者向けに需給オペレーションを自動化するための需給管理システム「ElecONE」を提供しており、Shizen Connectは、系統用蓄電池/家庭用蓄電池などのエネルギー機器を制御するためのシステム「Shizen Connect」を提供している。
今回、両システムをAPI(Application Programming Interface)連携し、電力の需給計画から市場取引、リアルタイムでの蓄電池の制御までをシームレスに実行できるようにする(図1)。これにより、小売電気事業者は、自社で大規模なシステムを開発することなく、既存の電力小売事業の延長線上で、調整力市場などを活用したアグリゲーション事業に参入できるという。
Shizen Connectによると、2024年4月には需給調整市場の全商品が取引開始し、容量市場も本格稼働するなど、蓄電池を活用したビジネスチャンスは拡大している。しかし、小売電気事業者がこれらの市場機会を捉えるためには、複雑な需給管理と高度な蓄電池制御を連携させるシステムが不可欠であり、その自社開発や運用は多大なコストと専門知識を要する参入障壁となっていた。
注1:アグリゲーション事業:家庭や工場などに点在する小規模な蓄電池や太陽光発電などのエネルギーリソースを束ね、制御することで、あたかも1つの大きな発電所のように機能させ、これにより創出された電力調整力を電力市場で売買する事業のこと。