[ニュース]

早大と東芝,遠隔給電が可能な先進電動バス「WEB-3 Advanced」を開発し公道実証試験を開始

2016/02/02
(火)
SmartGridニューズレター編集部

2016年2月2日、早稲田大学(東京都新宿区、早稲田大学総長:鎌田 薫、理工学術院教授:紙屋 雄史)、株式会社東芝(以下:東芝、東京都港区、代表執行役社長:室町 正志、研究代表者:尾林秀一)らの研究グループは、電源コードなどを接続しなくても遠隔給電が可能な最新のワイヤレス充電装置とリチウムイオンバッテリを搭載した、先進電動バス「WEB-3 Advanced」の開発に成功したことを発表した。
また、2016年2月1日より、国際戦略総合特区である川崎市殿町のキングスカイフロント地区および羽田空港周辺地域において、川崎市・全日本空輸株式会社のご協力を得て、同バスの公道実証試験を開始している。

同研究は、環境省が公募した「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」における採択課題で、早稲田大学と東芝は、電動バスの実証事業に係る委託先として選定されている。事業期間は2014年度より2016年度までを予定する。
 写真 WEB-3Aイメージ

設計コンセプトと特長
早稲田大学は、平成14年度より先進電動バス WEB(Waseda Electric Bus)の研究開発を続けている。WEBシリーズは、電気自動車の実用化にむけて技術的・コスト的ハードルとなっている“大きく・重たく・高価な”バッテリの搭載量を最小限とし、バスターミナルに戻ってくる都度充電する“短距離走行・高頻度充電コンセプト”を採用したユニークな電動バスである。また、高頻度となる充電作業を“短時間・安全・手間いらず”で行うために、同事業を通して東芝が新規開発した磁界共鳴型ワイヤレス充電装置を搭載していいる。このコンセプトの採用により空車重量と車両初期コストの削減、充分な車室空間の確保、さらには運転席におけるボタン操作のみでの充電が可能となった。(写真 参照)

実証試験の目的
公道での走行を通して、普及の際のポイントとなる充電作業に係る利便性を検証すると共に、CO2削減効果やランニングコスト削減効果、さらには乗車環境の改善効果や周囲環境へ与える負荷の微小性の評価等もおこなう。これらの成果を公開することで、“ヒトにも地球にも優しいワイヤレス充電型電動バス”をPRし、社会における認知度と受容性を高める。実証試験は同事業が終了となる平成28年度末まで実施される予定である。

先進電動バス WEB-3 Advanced 概要

名称 Waseda Electric Bus-3 Advanced(WEB-3 Advanced)
空車重量/寸法/乗車定員 5990kg/L6.99m×W2.08m×H3.10m/31名
モータ PM同期型(UQM PowerPhase145:最高出力145kW)
バッテリ リチウムイオン型(TOSHIBA SCiB:12直列3並列/40kWh/331V)
充電装置 ワイヤレス磁界共鳴型(TOSHIBA Wireless Charger:44kW@105mm-gap)
航続距離 最大50km(公道走行・空調OFF時)
電力消費率 約1.5km/kWh(公道走行・空調OFF時)

 


■リンク
早稲田大学
東芝

TOPに戻る
最新ニュース一覧

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...