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複数メーカーのエコキュートを遠隔制御、北陸電力

分散型エネルギーリソースのリモート制御システムをDRサービスに活用
2025/08/01
(金)

分散型エネルギーリソースをリモート制御をDRサービスに導入

 北陸電力株式会社(以下、北陸電力)は2025年8月1日、住宅に設置された複数メーカーのエコキュートをはじめとした分散型エネルギーリソースをリモート制御する「エネルギーリソースアグリゲーションシステム」を、同社のデマンドレスポンス(DR)サービス「ecoシフトチェンジ」に導入した。同システムは、株式会社インテック(以下、インテック)と共同開発した。両社が2025年7月29日に発表した。

図1 「エネルギーリソースアグリゲーションシステム」によるエコキュートの遠隔制御のイメージ

出所 
北陸電力株式会社 プレスリリース 2025年7月31日、「北陸電力とインテック、共同開発した「エネルギーリソースアグリゲーションシステム」をデマンドレスポンスサービスに活用」
 

複数メーカーのエコキュートに対応しエネルギーリソース活用範囲を拡大

 エネルギーリソースアグリゲーションシステムは、電力事業者が需要家と締結したDR(デマンドレスポンス)契約に基づき、住宅内のエコキュートや蓄電池などをメーカー問わずにリモートで監視・制御するためのもの。

 国際標準規格に対応した複数メーカーの分散型エネルギーリソースを、家電機器情報の管理やリモコン機能を提供するスマートホームアプリ「UCHITAS(ウチタス)」(インテック製)で一元管理する。これにより、電力事業者は多拠点に分散したリソースのDRスケジュール登録や制御状況の可視化が可能になるという。消費者がテレビ向けスマートホームコントローラーアプリ「UCHITAS Connect」(同)をインストールしている場合には、テレビをDRのコントローラーとして活用できる。経済産業省が定める「ERABに関するサイバーセキュリティガイドラインVer3.0」に準拠するため、脅威特定と対策設計を実施し、第三者機関によるアセスメントを実施した。

 これまで北陸電力のDRサービスでは、制御できるエコキュートのメーカーが限定されていた。同システムの導入により、対象メーカーが拡大され、より多くの需要家が提供するエネルギーリソースを電力需給の調整に活用できるようになる。

 北陸電力とインテックは2024年6月にエネルギー・リソース・アグリゲーション事業に関する協業で基本合意し、同システムの開発と実証を進めてきた。実証では、複数メーカーの異なるエコキュートを遠隔から制御することに成功し、システムの有効性を確認した。

 今後、両社は、本システムをエコキュートだけでなく、蓄電池やエアコン、照明といった他の家電製品との連携も進める。将来的には、これらの機器を統合制御することで家庭内の電力使用を最適化する新たなDRサービスの開発へとつなげる。また、エネルギーリソースアグリゲーションシステムの他事業者への提供を検討する。


参考サイト

北陸電力株式会社 プレスリリース 2025年7月31日、「北陸電力とインテック、共同開発した「エネルギーリソースアグリゲーションシステム」をデマンドレスポンスサービスに活用」

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