ドイツe.Go Mobile社は2017年5月8日(現地時間)、同社が開発した電気自動車(EV)「e.GO Life」の予約受付を開始した。e.Go Mobile社は2015年にアーヘン工科大学教授のGünther Schuh博士が設立したベンチャー企業で、電気自動車の開発を手がけている。本社はアーヘン工科大学内に設置している。
今回、e.Go Mobile社が予約受付を開始した「e.GO Life」は、5月4日に発表したばかりの車種で、ドイツで進む「Industrie 4.0」の成果を応用して開発した。そのおかけで、開発費用をおよそ3000万ユーロ(約37億2000万円:1ユーロ=124円で換算)に圧縮できたとしている。
図 e.Go Mobile社の電気自動車「e.GO Life」
出所 ドイツe.Go Mobile社
e.GO Lifeの気になる価格は1万5900ユーロ(約197万円:1ユーロ=124円で換算)。補助金や税金は含まない価格だ。EVとしては破格の安さと言える。そして、安さの理由の1つとして、航続距離が挙げられる。1回の万充電で走行できる距離はおよそ130km。搭載するリチウムイオン蓄電池の蓄電容量は14.4kWhだ。三菱自動車工業の小型EV「i-MIEV」の下位車種が10.5kWhのリチウムイオン蓄電池を搭載し、連続走行距離が120kmとなっている。連続走行距離を比較するとほぼ同レベルとなる。
e.GO Lifeは、大家族で保有する2台目、3台目となることを想定して開発したという。130kmという航続距離が物足りないというユーザーに向けては、シートを4人乗りに限定して蓄電池を追加し、航続距離を170kmとすることもできるという。そして、生産は2018年春に始める予定としている。
そしてe.GO Lifeの開発には、初期段階からドイツの自動車部品メーカーRobert Bosch社が協力している。前照灯、盗難防止警報システム、空調など、車体が備える機能の状態をクラウドから監視制御可能にする「Bosch Body Control Module System」や、電気自動車の駆動機構を提供している。発売後は、修理などのアフターサービスも担当するという。
現在、EVについては各メーカーが航続距離延長のために研究開発を進めている。Audiは4月18日に、500km以上走行可能なEVのコンセプトモデルを披露し、2019年に発売するとしている(参考記事)。2台目、3台目のちょっとした「足」としてヨーロッパで受け入れられるかどうか注目したいところだ。