本田技研工業は2017年9月12日(ドイツ時間)、開催中のフランクフルトモーターショー(IAA:International Motor Show)の報道関係者向け発表会で、電気自動車(EV)のコンセプトモデル「Honda Urban EV Concept」を公開した。これが世界初公開になるという。そして、今後ヨーロッパで同社が発売するすべての新車種がプラグインハイブリッド車(PHV)やEVといった電動車両になることも発表した。
図 発表会のステージに立った本田技研工業の代表取締役社長 八郷隆弘氏と、Honda Urban EV Concept
出所 Honda Motor Europe
Honda Urban EV Conceptは、本田技研工業の「Fit」などの小型車が持つ「キビキビと走る楽しさ」と「愛着を感じる親しみやすさ」を象徴化し、シンプルに表現したものだという。その車体はコンパクトに仕上がっており、全長はFitに比べて100mm短い。多くの自動車が行き交う都市部での移動に最適なサイズだとしている。
内装を見ると全体的にシンプルに仕上げている中で、ダッシュボード上に配置している横長の大型ディスプレイが目を引く。このディスプレイは航続可能距離など様々な地情報を表示する。そして、よく見ると運転席ドアの窓ガラス下にもディスプレイがあることに気付く。このディスプレイは助手席ドアにも付いていて、サイドミラーの代わりに車両外部の設置したカメラの映像を映し出す。
図 Honda Urban EV Conceptの内装
出所 本田技研工業
そして、このコンセプトモデルはAI(Artificial Intelligence:人工知能)で運転手の趣味嗜好などを学習する能力を持っているという。例えば運転手の好み、過去にこの自動車で訪れた場所などのデータを分析し、状況に応じて次の行き先を提案するなど、運転手と対話する機能を持つ。AIが運転手と対話するときは、先述の大型ディスプレイも活用するという。また、運転手の表情をカメラで捉え、その変化や、声の調子の変化から運転手が感じているストレスの度合いを分析し、必要に応じて運転支援技術を活用して安全に運転できるよう支援する。
このコンセプトモデルは今後本田技研工業が量産するEVの技術とデザインのあり方を示すものになっているという。本田技研工業はこのコンセプトモデルを基にしたEVを量産し2019年にヨーロッパで発売する予定だ。
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