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沖電気工業、独自のマルチホップ通信対応LPWAを利用した建築構造物監視センサーを発売

2017/11/16
(木)
SmartGridニューズレター編集部

沖電気工業は、橋梁や鉄塔、支柱などの建築構造物の安全性の遠隔監視を可能にする「無線加速度センサーシステム」を開発したと発表した。

沖電気工業は2017年11月14日、橋梁や鉄塔、支柱などの建築構造物の安全性の遠隔監視を可能にする「無線加速度センサーシステム」を開発したと発表した。2018年1月から建築構造物を管理する事業者や自治体に向けて販売を開始する。価格はオープン。

このシステムは「無線加速度センサーユニット」を建築構造物の各所に設置するだけで、配線工事などは不要で使用できる。センサーユニットは内蔵の3軸加速度センサーで、構造物の変化による振動を検知し、データを無線で送信する。センサーユニットで検知したデータはゲートウェイを通してクラウドに届く。クラウドではデータを分析し、グラフなどの視覚的にわかりやすい形に加工する。また、センサーユニットの設置場所を地図に重ねて表示したり、センサーユニットの設定を遠隔から変更する機能を持つ。

そして、このシステムの特徴はデータを送信する無線通信方式にある。沖電気工業が独自開発したLPWA(Low Power Wide Area)である「SmartHop」を利用する。SmartHopはほかのLPWAと同様に920MHz帯の電波を利用し、センサーユニットを間に挟んだマルチホップ通信(多段通信)に対応する。沖電気工業によれば、無線加速度センサーユニットを設置すれば、自動的に隣接するユニットやゲートウェイを探索し、ゲートウェイまでの最適な通信路を確立するという。また、通信の必要がない時間帯に自動的に機器をスリープ状態にすることで電力消費量を抑え、電池でも5年以上動作するともしている。

図 多段通信の機能を活用して、ゲートウェイまでの最適な通信路を自動的に確立する

図 多段通信の機能を活用して、ゲートウェイまでの最適な通信路を自動的に確立する

出所 沖電気工業

沖電気工業はこのシステムを、高度経済成長期に建設され、老朽化してしまった橋梁や道路などの建築構造物の監視用途に提案する構えを見せている。老朽化した建築構造物は適切に維持管理しないと、事故が発生する危険もある。しかし人手を使って監視しようにも、技術者が続々と定年退職を迎えて人員不足となっている。そして、人手による監視には相当な費用が必要だという問題もある。

この問題に対応するために、センサーを利用して建築構造物の状態を監視するシステムも存在するが、配線工事を伴う大規模な設置工事が必要だった。沖電気工業が今回発表した無線加速度センサーユニットは、電池だけで5年以上動作し、無線でデータを送信するので配線工事も必要ない。マルチホップ通信の機能を活用して、自動的に最適な通信路を確立するので、無線基地局の設置場所を考える必要もない。

沖電気工業が開発した無線通信技術「SmartHop」は、これまで各社70以上の製品が採用しているという。今後もSmartHopの普及を目指すとともに、社会や企業が抱える課題の解決に応用していく方針を示している。


■リンク
沖電気工業

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