電源開発(Jパワー)は2018年4月2日、北海道三笠市の水力発電所「桂沢発電所」を廃止し、「新桂沢発電所」を新設すると発表した。2019年4月に着工し、2022年6月の運転開始を目指す。
図 桂沢発電所と桂沢ダム
出所 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部
桂沢発電所の水源となっているのは桂沢湖。今回の工事は桂沢湖をせき止めている「桂沢ダム」を「かさ上げ」することがきっかけだ。かさ上げとは、ダムのコンクリート壁の高さを上げること。桂沢ダムには発電のほかに治水機能があるが、近年は桂沢ダムの下流で水害が発生し、治水機能が低下していた。今回のかさ上げ工事は、治水機能向上が主な目的だ。
今回はコンクリート壁の高さを11.9m上げる。その結果、桂沢湖の貯水量が増大する。これに合わせて桂沢発電所を廃止し、新桂沢発電所を新設する。廃止する桂沢発電所の最大出力は15MW(1万5000kW)。新桂沢発電所では、発電設備を最新のものに更新して発電効率が上がるため、最大出力は16.8MW(1万6800kW)となる。
図 桂沢ダムをかさ上げして、桂沢湖の貯水量を引き上げる
出所 国土交通省北海道開発局 札幌開発建設部
そして、桂沢ダムのかさ上げにより、桂沢湖に注水している水力発電所「熊追発電所」が水没する。そこで、熊追発電所もかさ上げして設備を更新する。熊追発電所の最大出力は4.9MW(4900kW)だが、設備更新で5.1MW(5100kW)となる。この工事は2018年4月に着工し、2022年4月運転開始の予定だ。電源開発は今後も水力発電所の建設と設備更新に積極的に取り組み、CO2を排出しない電源を確保していく。
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