Volvo Carsは2018年10月24日(中央ヨーロッパ時間)、同社の投資ファンド「Volvo Cars Tech Fund」を通して、アメリカFreeWire Technologiesに出資し、株式を取得したと発表した。FreeWire Technologiesは設置場所を選ばないEV(電気自動車)向け充電器を開発販売しているベンチャー企業だ。
図 Volvo Carsの車両と、FreeWire TechnologiesのEV充電器(右)
出所 Volvo Cars
EV向け充電器、特に急速充電器を設置する作業には大きなコストと手間がかかるものだ。EVに大電力を供給するには、送電網からの受電量を大きくするための手続きと工事が必要になる。大電力を受電する契約は、基本料金が高額であるため、充電料金を高くせざるを得ない場合もある。
FreeWire TechnologiesのEV充電器は、電力契約を変更することなく設置でき、急速充電にも対応できる。充電器が大容量のリチウムイオン蓄電池を内蔵しているためだ。電力需要が低く、電力単価が安価な時間帯に内蔵の蓄電池に充電しておき、EVに充電するときは一旦充電した電力を供給する。少ない電力を受電する契約でも、利用者がいないときに少しずつ内蔵の充電池に充電しておくことで、EVに充電できる。もちろん急速充電にも対応可能だ。
図 内蔵する大容量のリチウムイオン蓄電池に一旦充電した電力をEVに供給する
出所 FreeWire Technologies
Volvo Carsは、2019年から発売する車両をすべてプラグインハイブリッド車(PHEV)、EVなど「電化」したものにする予定。そして2025年までには同社が販売する車種の半分をEVにするという目標を公開している。今回の出資には、EV充電器の設置ペースを一気に加速させ、EVをより便利に利用できる環境を早急に作る狙いがあると考えられる。