Volvo CarsとAutoliv社は、自動運転技術の開発に向けてNVIDIAと提携すると発表した。
スウェーデンVolvo Car社(Volvo Cars)と同じくスウェーデンのAutoliv社は2017年6月27日(現地時間)、自動運転技術の開発に向けてNVIDIAと提携すると発表した。Autoliv社は安全運転支援システムなどを開発販売している企業で、Volvo Carsと共同で自動運転車「Volvo XC90 Drive Me」を開発しており、2017年中にイェーテボリに住む一般市民に車両を貸し出し、公道で実証実験を開始する計画を立てている。
図 「Volvo XC90 Drive Me」の試作車
出所 Volvo Car社
また両社は共同出資で自動運転のソフトウェアを開発するZenuity社をスウェーデンに設立している。Volvo Cars、Autolive社、Zenuity社の3社共同で自動運転技術の開発に取り組み、Volvo Carsはレベル4の自動運転車を2021年までに発売するとしている。
Volvo Carsなど3社は自動運転のソフトウェアを動作させる環境としてNVIDIAが自動運転車向けに開発したコンピュータ「DRIVE PX」を選んだ。DRIVE PXはNVIDIAが2015年1月に発表したもので、2016年1月には後継となる「DRIVE PX 2」を発表している。DRIVE PX 2は、NVIDIAが開発した64ビットARMアーキテクチャのプロセサコアと、NVIDIAの「Pascal」アーキテクチャのGPU(Graphics Processing Unit)を統合したSoC(System on Chip)を搭載している。このSoCは深層学習の演算を1秒間に24兆回実行する能力を持っているという。このコンピュータの上で、車載カメラなどのセンサー情報を処理して自動車を制御する深層学習などのソフトウェアを3社で開発する。
図 NVIDIAの自動運転車向けコンピュータ「DRIVE PX 2」
出所 NVIDIA
先述の自動運転車の試作車「Volvo XC90 Drive Me」はすでにNVIDIAのDRIVE PX 2を搭載している(NVIDIAが2016年1月に発表)。改めて提携を結んだということは、今後登場する新世代のDRIVE PXシリーズを基にソフトウェアの開発を進めると考えられる。
Zenuity社は自動運転車向けのソフトウェアを開発してVolvo Carsに提供する。同時にAutoliv社はそのソフトウェアを自社の販路を通してほかのメーカーに販売する計画を立てている。
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