[ニュース]

蓄電池とエコキュートを協調制御、シャープESと中部電力ミライズ

家庭の太陽光発電量や消費電力量にもとづくDR制御を実証
2025/10/22
(水)

家庭の蓄電池とエコキュートを協調制御するDRの実証開始

 シャープエネルギーソリューション株式会社(以下、シャープES)と中部電力ミライズ株式会社(以下、中部電力ミライズ)は、家庭の蓄電池とエコキュートを協調制御するデマンドレスポンス(DR)注1の実証を2025年10月20日に開始した(図1)。シャープESが同日に発表した。

図1 シャープESと中部電力ミライズによるDR実証の概要

出所 中部電力ミライズ株式会社 お知らせ 2025年10月20日、「シャープエネルギーソリューション株式会社と共同で、蓄電池とエコキュートを協調制御するDRの実証を開始」

 

蓄電池とエコキュートを組み合わせた効率的なDR制御の早期実用化へ

 シャープESは、中部電力ミライズのDRサービス「NACHARGE Link(ネイチャージリンク)」で、蓄電池のリアルタイム遠隔制御機能を2023年9月から提供している。

 今回の実証では、シャープESのクラウドHEMS注2サービス「COCORO ENERGY」が予測した、家庭ごとの太陽光による発電量や宅内消費電力量を中部電力ミライズに共有し、蓄電池とエコキュートを組み合わせたDR制御計画策定を支援する。それをもとに、シャープESが蓄電池とエコキュートを遠隔制御する。実施期間は、2025年10月20日から2026年9月30日を予定している。

 シャープESは、策定したDR制御計画にもとづいて対象機器を制御し、調整力の創出効果と機器動作を検証し、蓄電池とエコキュートを組み合わせた効率的なDR制御の早期実用化を進める。

 中部電力ミライズは、顧客の経済的効果とサービス受容度を検証し、蓄電池単体よりも効果的な機器制御型DRサービスの早期商用化を目指す。

 シャープESによると、再生可能エネルギーの一層の普及拡大に向け、市場では電力需給バランスの調整量のさらなる向上が求められている。


注1:DR(デマンドレスポンス):需要家側が電力使用量をコントロールすることで、電力需給バランスを調整する仕組み。
注2:HEMS(Home Energy Management System):家庭で使用するエネルギーを管理・最適化するシステム。

参考サイト

シャープエネルギーソリューション株式会社 ニュースリリース 2025年10月20日、「中部電力ミライズと共同で、蓄電池とエコキュートを協調制御するDRの実証を開始」 

中部電力ミライズ株式会社 お知らせ 2025年10月20日、「シャープエネルギーソリューション株式会社と共同で、蓄電池とエコキュートを協調制御するDRの実証を開始」 

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