[特集]

Q&Aで学ぶデジタル放送(2):デジタル放送で何が変わるのでしょうか?

2008/03/05
(水)
亀山 渉

≪2≫デジタル放送によるテレビのマルチメディア化

また、デジタル放送によって、多種多様な新しいサービスを提供できる可能性があります。従来のアナログ放送では、動画像と音声を提供するのが基本でしたが、これに加えてさまざまなマルチメディア情報を送ることが可能になります。

例えば、現在でもBML(Broadcast Markup Language、放送用マークアップ言語)方式を使用して、BSデジタル放送と地上デジタル放送ではさまざまなマルチメディア番組が提供されています。具体的には、視聴者参加型のクイズや、スポーツ中継と同時に、さまざまなスポーツに関するデータを受信することなどが可能です。このようなテレビのマルチメディア化は、デジタルならではの機能や特徴と言えます。つまり、簡単に言ってしまえば、テレビとインターネットが混在したような新しい放送サービスを提供できるということで、高画質の映像と高品質な音声を楽しみながら、ブラウザを使用してさまざまなデータのやり取りを行えるようになったのです(図1-3)。


図1-3 テレビとインターネットの混在・融合による新しい放送サービス(クリックで拡大)

これは、さまざまなメディア情報がすべてデジタルによって表されているためで、アナログ放送ではなかなか手間がかかり実現することが困難でした。このようなメディア情報の融合がさらに進むと、もっと新しいテレビ・サービス(あるいは単にマルチメディア・サービスと言ってしまってもいいかもしれません)が、それほど遠くない未来に登場するようになるでしょう。

デジタル放送には以上のような利点があるため、日本だけでなく、世界中の各国で実用化が計画され、実施されています。

※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 デジタル放送教科書(上)」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。

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