今回の会議は、個人的な感想としては、IPv4枯渇による移行技術やセンサーや、スマートグリッドをはじめとした小型デバイス向けの技術が盛んに議論されている印象であった。IETFのすべての会議に参加して動向を把握するのはほぼ不可能であり、あくまでも私の専門分野であるIP層+モビリティ+αが本記事の主軸となってしまうことをご理解いただきたい。
■増える非公式BOF(BarBOF)
IETFの会期中には、どのワーキンググループにも適さない課題を議論するため、BOFという仕組みがある。BOFは、各エリアのエリアディレクタの承認が必要であるが、BOF開催の承認を得るのは、課題が明確で、標準化の必要性が認められないといけないため、年々難しくなっている。
BOFとして議論するまでに至っていない課題に関しては、非公式なBarBOFが開催される。この名前は、もともと会議終了後の夜に、興味がある人がバーに集まり目的をもって議論していたことに由来する。より多くの参加者を集めるため、BarBOFの開催はメーリングリストにアナウンスされ、エリアディレクタの承認があれば、IETFの会議室を利用することもできるようになった。バーでの開催は最近では滅多に見られなくなってしまった。
会議の1週間前や会期中には、このBarBOFの開催アナウンスが飛び交うため、IETFではBarBOFの情報をまとめるWIKIを今回のIETF会議から用意した(表1)。
日にち | テーマ | 参加人数 | 概要 |
---|---|---|---|
月曜日(3/22) | Address+Port Sharing | (約30名) | IPv4アドレス枯渇の対策として提案されているA+Pの標準化の可能性に向けた議論 |
Internet of Things Research | (約80名) | IETFでIoT(Internet of Things)関連のトピックを議論。センサー、RFID、工業システムなどさまざまなthings(物)をネットワークに繋げるときに起こり得る問題や、IETFで議論するべき課題を議論。なお、非公式BOFとは別に、インターネットエリアワーキンググループ会議でもIoTの発表が行われた。 | |
火曜日(3/23) | Location Coherence | (約15名) | 位置情報を扱う実装がさまざまあるなか、APIやデータフォーマットの統一化などにより相互運用・接続を可能にできないか議論 |
High-assurance cryptographic APIs | (16名) | 詳細不明 | |
NAT444 impact on content providers | (約40名) | IPv4アドレス枯渇の果てにNAT444などが導入されたネットワークで、コンテンツプロバイダーが考慮すべき問題について議論 | |
ALG bar BoF | (不明) | 詳細不明 | |
水曜日(3/24) | IP traceback | (約10名) | 奈良先端大学がNICTとの委託研究で日本の商用ISPの15社を交えて、商用インターネット上でのIP トレースバックの実証実験を成功させた後、これ以上の研究や実用化を進めるには標準化が必要ということで開いた。 |
Lightweight IP | (不明) | 小型デバイスにIPを乗せるための実装問題等を議論。なお、現在のIETFではCOREや6LowPANなど小型デバイス向けの標準化が進んでいる。 | |
Internet Registration | (不明) | ドメイン名のレジストリとレジストラ間で使われるExtensible Provisioning Protocol (EPP)の改訂や拡張を議論 | |
木曜日(3/25) | Clouds | (不明) | クラウドコンピューティングにおけるフレームワークの標準化や、さまざまな資源の管理(予約、認証、資源広告等)やAPIを標準化するかどうかの議論 |
Federated Authentication | (不明) | SAML(Security Assertion Markup Language)などのFederated(連携型)認証を、Web以外のサーバクライアントアプリケーション(メール等)でも利用することを目的として議論 |
BarBOFの議論の結果、IETFで標準化する必要があると結論が出た場合は、次のIETFで正式なBOFを申請することが通常である。公式BOFは、同じ課題では通常2回までの開催しか認められない。積極的に非公式BOF(BarBOF)を使ってIETFの参加者と議論して、明確な課題とゴール、そして複数のメンバーの支援を取り付けることが、公式BOFの開催、さらにはワーキンググループの設置と標準化活動に向けて重要となってくる(写真3)。
■「センサー」「スマートグリッド」「アドホック」:活発化だったInternet of Things(IoT)の議論
(1)6LowPAN
今回の会議では、これまで2年ほどかけて標準化を続けてきた6LowPAN向けのNeighbor Discoveryプロトコル(NDプロトコル、近隣発見プロトコル)で大きな動きがあった。デザインチームを組んでワーキンググループ文書としてまとめられてきたNDプロトコルが、多くの機能をサポートした結果、プロトコルが複雑になり肥大化したことを問題視する流れが、前回(2010年1月)の広島の会議から行われていた。その結果、デザインチームのメンバーの一部が、新たに別のシンプルNDプロトコルを設計し発表を行ったのである。ただし、ふたを開けてみると、既存のNDプロトコルの複雑化した部分を取り除いた程度で、似通った仕組みであった。デザインメンバーの一員であれば、デザインチーム内で解決し、別文書で別プロトコルを書くことはあまりないため、少々理解に苦しむ流れであったが、チェアを含めて議論が行われ、「両方の文書の著者間で相談する」ということになった。
チェアからは、2年間でプロトコルに関していろいろとわかったことがあるため、クリーンスレート(白紙の状態)で一からの作業でもよいという発言も出た。ただし、6LowPANでは、普及を視野に入れている参加者もおり、「これ以上の標準化の遅れは許されない」などの強い意見もあった。NDプロトコルは6LowPANの中心となるプロトコルで、今後どのように標準化が進むのかは、注目する必要がある。なお、6LowPANでは、後述するAUTOCONFワーキンググループで標準化されたアドホック・ネットワーク向けアドレス・アーキテクチャの仕様書に準拠している。
●http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-6lowpan-nd-08
●http://www.ietf.org/id/draft-chakrabarti-6lowpan-ipv6-nd-simple-00.txt
(2)CORE(6LowAPP)
前回の広島会合でBOFが開催された6LowAPPが、正式なワーキンググループとして承認され、第1回の会議が開催された。ワーキググループ名は、6LowAPPからConstrained RESTful Environments(core)と名付けられた。これは、センサー等の小型デバイス群向けのアプリケーションフレームワークを議論するグループである。
現在のインターネットサービスはWebベースが主流となっている。このグループでは、WebのRepresentational State Transfer(REST)アーキテクチャ(注)を意識し、RESTアーキテクチャを小型デバイスと非力なネットワーク(例:6LowPAN)に向けて実現することを目指している。
(注)RESTは、HTTPの策定に携わったDr. Roy Fieldingが博士論文で紹介した言葉で、コンテンツ等のさまざまな資源をネットワーク越しに扱うためのソフトウェアアーキテクチャを指す。RESTの概念はWWW(HTTP)にも反映されている。RESTでは、クライアントとサーバで構成され、クライアントからリクエストが送信され、サーバがリクエストを処理してクライアントに処理結果を戻す動作をする。資源は固有の識別子で表現されサーバ-クライアント間で交換する。サーバがリクエストを処理するのに必要な情報は、クライアントからのリクエストにすべて含まれており、サーバはクライアント毎に特別なステート(状態)を保持する必要がない(ステートレス)。HTTPを例にすると、資源はURI(Uniform Resource Identifier)で識別され、クライアントからのリクエストとして「GET」「PUT」「POST」「DELETE」の4種類のメソッドが定義されている。
会議では、RESTの解説や、このワーキンググループで標準化を進めるCOAP(Constrained Application Protocol)の要求事項、ブートストラップやセキュリティなどが発表され議論された(図1参照)。
また、スマート・メーター用のアプリケーション・プロトコルとして、RFC 5101で標準化されたIP Flow Information Export(IPFIX)のヘッダ圧縮などをサポートした拡張版も発表された。
●http://tools.ietf.org/html/draft-shelby-core-coap-req-00
●http://tools.ietf.org/html/draft-braun-core-compressed-ipfix-01
(3)AUTOCONF
今回は、アドホック・ネットワーク向けにどのようなアドレスを割り当てるかまとめたアドレス・アーキテクチャの仕様書がIESGに承認された。今後は、RFCとして発行を待つのみである。約4年間かけて、唯一のRFCを遂に発行することになりそうである。ようやく第一歩を踏み出し、今後はアドレス・アーキテクチャに沿ったアドホック・ネットワーク向けのアドレス割当て手法を標準化することとなりそうである。4年間で議論されたソリューションや過去の議論を再度発表し、今後の方向性を議論するに留まった。次のIETFまでに、新しいチャーター(WGの活動趣意書)が発表され、新たな動きが始まる予定となっている。
(4)ROLL
経路制御プロトコルであるRPL(IPv6 Routing Protocol for Low power and Lossy Networks)の標準化を行っている。RPLは非循環有向グラフ(DAG)の性質を使って木構造のトポロジーを作り、ルートへの経路制御を実現するプロトコルである。今回は、これまで指摘された問題の整理が行われた。例えば、P2Pのサポートの議論や、リーフのノード間での通信を実現するための拡張の必要性などが議論された。
また、RPLのメッセージ群を保護するためのセキュリティの仕組みについての発表がデザインチームからあった。参加者からは、ROLLで標準化しているRPLにセキュリティ・メカニズムが本当に必要かどうかについてかの質疑があった。6LowPANのIEEE 802.15.4などのように第2層でセキュリティを担保することができる場合は、ROLLのセキュリティ・メカニズムをオフにすることで対応するようである。また、IETF期間中(3月24日から3月25日)に開催されたIPSOアライアンス主催のRPLの相互接続試験イベントに関する告知もあった。
(A Security Framework for Routing over Low Power and Lossy Networks:draft-tsao-roll-security-framework-02、http://www.ietf.org/id/draft-tsao-roll-security-framework-02.txt)
●http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-roll-rpl-07
■モビリティ関連
(1)MEXT
モバイルIPv6(RFC 3775)のセキュリティ・メカニズムとしてIPsecが採用されているが、ほかのセキュリティ・メカニズムを利用するかどうかの意見交換がチェア主導で行われた。これまでは、IPsec以外の利用を原則禁止していたが、IPsecと一部モバイルIPv6拡張(特にデュアルスタックモバイルIPv6)との親和性の悪さなどが問題になっていた。これまでにもTLS(Transport Layer Security、SSLなど)ベースのセキュリティ・メカニズムが提案されており、ノキアではすでにTLSベースのモバイルIPを実装し動作しているとの発表があった。
今回の議論では特定の別のセキュリティ・メカニズムを選ぶのではなく、IPsec以外の利用を許すかどうかというところであった。明確な結論はなかったが、IPsec以外の採用も考慮にいれた議論が進むことが予想される。
●http://tools.ietf.org/html/draft-korhonen-mext-mip6-altsec-03
(2)NETEXT
プロキシー・モバイルIPv6の拡張を議論しており、ローカル・ルーティングやバルク登録、ローカル・モビリティ・アンカーのランタイム選択などが発表された。注目される項目は、新たにチャーターとして加わったロジカル・インタフェースについての議論である。ロジカル・インタフェースは、端末が複数のインタフェースで同一のアドレスを使い通信する場合に必要となる。
プロキシー・モバイルIPでは、移動端末はモビリティ・アンカー・ゲートウェイからローカル・モビリティ・エージェントが割り当てたホーム・ネットワーク・プレフィックスを取得するが、移動しても、移動先のモビリティ・アンカー・ゲートウェイが同一のプレフィックスを移動端末に常に広告することを保証する。これによって移動透過性を保証している。しかし、複数のモビリティ・アンカー・ゲートウェイから広告される同一のプレフィックスを利用して、複数のインタフェースに同一のIPv6アドレスを割当てることは原則として不可能である。
そこで登場するのが、ロジカル・インタフェースで、複数の物理的インタフェースをIP層から隠蔽することができる。ロジカル・インタフェースは仮想インタフェースの一種で、古くはpppインタフェース、トンネル・インタフェース、さらにはほとんどのオペレーティング・システムに存在するループバック・インタフェースも広義には含まれる。NETEXTワーキンググループでは、このロジカル・インタフェースを利用することで起こり得る相互接続における問題を分析することが主眼であるが、今回の会議での発表は実装に近い話に終始したため、残念ながら議論は進まなかった。
第77回会合の参加者は全体で1192名、そのうち173名が新規の参加者であった。国別の参加人数の分布は、図2のとおりであった。次回78回会合は、2010年7月25日から30日までオランダ・マーストリヒトで開催される。
コラム・IETFの基礎知識
=ホスト不在のIETF=
会議開催前の3月初めにIETFチェアから、会議のホスト不在のアナウンスがメーリングリストに流れた。そのため、会期中のソーシャルイベント(皆で夕方から飲み食いする交流の場)もないということであった。しかし結果としては、会議開催までにBooz Allen Hamilton、Comcast、National Cable &Telecommunications Association、IPSO(IP for Smart Object)Alliance、 Time Warner Cableがスポンサーとなった。
面白かったのは、会期中にIETFチェアからスポンサーを参加者から募集するメールが出されたことである。IETFでは、会議中の名前タグに丸い色のついたシール(ドット)が役職やスポンサーに付けられる。これらのルールは、RFC 4677の“The Tao of IETF:A Novice's Guide to the Internet Engineering Task Force”(IETFに関する初心者向けガイト)で決められている(表2参照)。
色 | 役職 |
---|---|
青 | ワーキンググループ/BOFチェア |
緑 | ホスト(スポンサー) |
赤 | IAB(インターネット・アーキテクチャ委員会)メンバー |
黄色 | IESG(インターネット技術標準化運営グループ)メンバー |
オレンジ | ノミネート委員メンバー |
このうち、緑のホスト・スポンサー向けドットを20ドルで売り始めたのだ。20ドル払えば、名前タグにシールを貼ってくれるのである。しかも、最終日には10ドルにディスカウントするという大技にも出た。その結果、会議中は緑のドットをつけた参加者を多く見ることとなった。このようにIETFでは、皆で会議を支えようとする意識が高く、IETFの何とも気軽でオープンなコミュニティの一面を見た気がする。
IETFの最新事情
=IETFの参加費と参加方法=
・ワンデーパスの効果
今回のIETF会議では、48カ国から約1200名の参加者があり、日本はアメリカに次いで2番目に参加者が多い国となった。IETFの会議の参加費は早期割引が635ドル、通常が785ドルである。学生割引は学生証を提示すれば150ドルで参加できる。これらの参加費には、会議の休み時間の軽食や飲み物、会議上のネットワークなどの利用料が含まれている。
IETF第76回会議(広島)からはワンデーパス(1day pass)が用意された。これは1日だけ参加する人たちのための制度で、200ドルという価格設定になっている。これによって、IETFに初めて参加する人々が1日だけ特定の会議だけに参加するなどが可能となる。
3月24日(水)の会議運用プレナリ(総会)では、ワンデーパスに関してさまざまな意見が出たことである。ネガティブな意見としては、「ワンデーパスで会議にだけ参加されると会期中に裏で交渉するための話や打ち合わせが設定できない」「IETFの常連参加者もワンデーパスで特定の会議だけ出ている」などである。
その一方で、ワンデーパスがあるため、特定のトピックでIETFに参加してなかった人が参加してくれたというポジティブな意見もあった。IETFでは、いろいろな議案が広がってきていて、さまざまな他の標準化とも連携が進んでいたりもしている。そのため、IETFに直接関係ない人もIETFの会議への参加が必要となる場合が増えているのである。
・リモート参加
IETF会議はリモート参加も可能である。当然、会議には直接参加して議論を見るのに越したことはないのだが、どうしても参加できない人たちのために、オーディオやjabberで参加ができる。オーディオは、会議中リアルタイムに配信されているため、発表者や質問者の声を聞くことができる。オーディオを聞いて参加している人が多いため、IETFでは発表や質問の前には必ず名前を言うことがルールとなっている。それがないと、遠隔の人は誰が話しているのかがわからないからである。
一方で、jabberは、グループチャットであり、各ワーキンググループの会議中には参加者の一人がグループチャットでリアルタイムに会議の進行や質問などを送信してくれる(jabber scribeと呼ぶ。jabber scribeはボランティアが行うので、会議の開始前にワーキンググループのチェアは、ログ取りとjabber scriberの2~3名を選ぶ必要がある)。オーディオの参加者は、このjabberを使うことにより、会議中にチャット越しに質問ができる。チャットでの質問は、会議中にjabber scriberによって代理で質問される。このように、リアルタイムでの遠隔参加が可能なのもIETFの特徴である。なお、オーディオもjabberも両方ともログとして残るため会議を見直すにも便利である。
●Jabberの情報:http://www6.ietf.org/jabber/index.html
・会議参加のための新しいツール
遠隔参加の更なるツールとして、今回の会議から、ワーキンググループのチェアが希望すれば、シスコシステムズが提供するWebEXを利用できるようになった。WebEXを使えば、インターネットを介してWeb上で音声や資料が共有できるため、よりリッチなリアルタイム参加が可能となる。参加が重要な会議なのにどうしても現地まで行って参加できないという場合は、一度、該当ワーキンググループのチェアにWebEXの設定をお願いしてみるのも1つの方法である。なお、WebEXの利用には準備設定が必要なため、会議の進行に影響を及ぼさないようにどのように利用・運用していくかについて、現在IETFで議論されている。
●WebEXの情報:http://www.ietf.org/meeting/77/webex.html
・遠隔参加者が情報を得るために
遠隔参加の情報に関しては、tools.ietf.orgのアジェンダページを利用することをお勧めする(図3)。
toolsサイトは、IETF参加メンバーのHenrik Levkowetz氏などが中心となり、ボランティアで作成し運用されているページで、参加者には非常に便利なサイトである。toolsサイトにはすべてのワーキンググループの情報(チャーター、アジェンダ、ステータス、ドキュメント等)がリンクされてまとめられている。また会議中には、アジェンダが掲載され、そのページから会議のスケジュール、各会議のアジェンダ、発表資料、オーディオへの参加、jabberへの参加やログへアクセスすることができる。このサイトは、遠隔参加者だけでなく通常の参加者も積極的に利用している。
プロフィール
湧川 隆次(わきかわ りゅうじ)氏
現職:TOYOTA InfoTechnology Center, U.S.A., Inc. シニアリサーチャ
慶應義塾大学SFC研究所上席研究員(訪問)
政策メディア博士(慶應義塾大学・2004 年)
【略 歴】
東京都に生まれる
2004年 慶應義塾大学大学院政策メディア研究科後期博士課程修了
2004年 慶應義塾大学政策メディア研究科 特別研究助手
2005年 慶應義塾大学環境情報学部 有期専任講師
2005年 Asian Institute of Technology(AIT)Adjunct Assistant Professor
2008年より株式会社トヨタIT開発センター シニアリサーチャ
2009年3月よりIETF AUTOCONF作業部会チェア、現在に至る
【主な活動】
IETF(インターネット技術標準化委員会)で、デュアル・スタック・モバイルIPv6(デザインチームの一員)、NEMO基本仕様(RFC 3963)やNEMOホーム・ネットワーク・モデル(RFC 4887)、プロキシー・モバイルIPv6のIPv4サポート拡張、複数ケア・オブ・アドレス登録など、多くの移動支援プロトコルの標準化を手掛けている。
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