東芝は2017年4月13日、東北電力の研究開発センター(仙台市青葉区)に水素供給システム「H2One」を納入したと発表した。東北電力は3月23日に、研究開発センターで水素製造装置と蓄電池を組み合わせて、再生可能エネルギーによる発電設備の出力変動を吸収することを目的とした研究を始めると発表している(参考記事)。東芝が今回納入したのは、その研究で使用する水素製造装置であり、東北電力からは2016年12月に注文を受けたという。
図 東芝が東北電力の研究開発センターに納入した水素供給システム「H2One」
出所 東芝
東芝は今回、水素を製造する水電解装置、水素貯蔵合金タンクからなる水素供給システムのほかに、水素供給システムの電源となる太陽光発電設備、純水素を燃料として発電する燃料電池、蓄電池、エネルギーマネジメントシステムも納入した。東北電力が研究で使用する機器のほとんどを東芝が納入したことになる。
東芝は、経済産業省が2015年7月の「長期エネルギー需給見通し」で、2030年には日本の総発電電力のうち22~24%を再生可能エネルギー由来のものとするという目標に触れ、その目標を達成するために、様々な企業が再生可能エネルギーによる発電設備の出力変動を吸収するための仕組みを研究しているという現状を指摘した。その上で東芝はH2Oneをあらゆる用途に向けて展開し、水素を主たるエネルギーの1つとする社会の実現をめざすとした。
■リンク
東芝