サプライチェーン全体で容器包装情報を一元管理
データベースソリューションを提供するeBASE株式会社(以下、eBASE)は、サプライチェーン全体で容器包装資材の環境情報とその原料である化学物質の情報を一元管理するためのシステム「CPM eBASE」の提供を、2025年8月上旬に開始する(図1)。従来は個別管理されていた2つの情報を統合して管理することで、情報の収集・管理に関わる業務の効率を高め、情報活用を推進するという。食品メーカー、食品卸売業、小売業などの食品関連事業者を対象に提供する。2025年7月10日に発表した。
図1 eBASEが提供する「CPM eBASE」の概要
出所 eBASE株式会社 ニュースリリース 2025年7月10日、「サプライチェーン全体における商品の容器包装管理の効率化を支援! 新たな容器包装管理システム「CPM eBASE 」を開発、リリース」
オンプレミス版とクラウド版で提供
CPM eBASEは、(1)容器包材資材環境情報管理システム「eB-Esg」、(2)化学物質情報管理システム「eB-SDS」という2つのシステムで構成する。
eB-Esgは、容器包装資材の環境負荷情報を管理するためのもの(図2)。容器包装資材の構成情報(Bill Of Materials:BOM)をもとに、リサイクル率やCO2排出量などを定量的に評価し、環境負荷を可視化する。蓄積したデータは、環境配慮設計やエコデザインに活用できるという。また、標準化された情報交換基盤上で取引先や関連企業とデータを連携する。
図2 容器包材資材環境情報管理システム「eB-Esg」の概要
出所 eBASE株式会社 ニュースリリース 2025年7月10日、「サプライチェーン全体における商品の容器包装管理の効率化を支援! 新たな容器包装管理システム「CPM eBASE 」を開発、リリース」
eB-SDSは、化学物質を安全に取り扱うために労働安全衛生法などで定められた、電子標準フォーマット「SDS(Safety Data Sheets:安全データシート)」の関連情報を管理するためのもの(図3)。化学品の危険性や有害性に関わる情報を伝達するための規格「JIS Z 7253:2019」に準拠している。SDS管理の電子化、標準化により、化学物質管理の効率化につなげるのに加え、頻繁に実施される法改正や通知事項の変更にも柔軟に対応するという。
図3 化学物質情報管理システム「eB-SDS」の概要
出所 eBASE株式会社 ニュースリリース 2025年7月10日、「サプライチェーン全体における商品の容器包装管理の効率化を支援! 新たな容器包装管理システム「CPM eBASE 」を開発、リリース」
提供形態は、オンプレミス版とクラウド版の2つがある。オンプレミス版のライセンス価格はeB-Esg、eB-SDSともに70万円。このほかに、年間ライセンス・サポート費として価格の20%が必要になる。クラウド版は個別見積もり。
今後、eBASEは、CPM eBASEについてAIエージェントとの連携などの機能拡張を進める。関連サービスを含め3年間で累計3億円の売上を計画している。
eBASEによれば、近年、製造業や容器包装資材業では、商品の安全性や利便性を確保しながらの環境負荷低減や資源循環の推進が求められている。また、化学物質管理の厳格化やSDSの電子化・標準化といった新たな法規制に対応しなければいけない。一方で、設計・開発工程では膨大な書類や証憑類の管理が現場の負担になっている。さらに、社内の情報共有や取引先・外部パートナーとのやり取りも煩雑化しており、生産性が低下するほか、情報の活用も困難になっている。
参考サイト
eBASE株式会社 ニュースリリース 2025年7月10日、「サプライチェーン全体における商品の容器包装管理の効率化を支援! 新たな容器包装管理システム「CPM eBASE 」を開発、リリース」