日本電気株式会社(以下:NEC、東京都港区、執行役員社長:遠藤 信博)は、2015年2月26日、大容量マイクロ波通信装置向けに、世界最高効率の無線伝送が可能な4096QAM方式※1の変調技術を開発したと発表した。これにより、無線通信においても光回線並みの1Gbps以上の転送レートを実現するモバイルバックホールの構築が可能となる。
NECは今後、同技術をマイクロ波通信システムの新シリーズ「iPASOLINK VR」に適用を予定している。4096QAM方式の変調技術を同装置に適用することで、既存装置と比較して伝送容量を約25%増加させ、安定した高品質な通信サービスの提供が可能となる。
4096QAM方式に対応する「iPASOLINK VR IDU(In Door Unit)」
デジタル変調方式の1つであるQAM変調方式では、1回の変調(1シンボル)に割り当てるビット数が多いほど、また1秒間により多くのシンボルを送るほど伝送容量が増加する。4096QAM方式は、1シンボルあたりで12ビット(2の12乗)のデータ伝送を行うため、現在普及している256QAM方式の8ビットデータ伝送と比べ高効率となる。
※1:QAM{Quadrature Amplitude Modulation(直交振幅変調)}
搬送波の位相と振幅の変化量を利用して一度に複数の情報伝送を実現する変調方式。
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