[ニュース]

ダイキン工業、小水力発電を推進する新会社を設立ー「マイクロ水力発電システム」を利用

2017/06/09
(金)
SmartGridニューズレター編集部

ダイキン工業は、小水力発電事業を手掛ける新会社「株式会社DK-Power」を設立したと発表した。

ダイキン工業は2017年6月7日、小水力発電事業を手掛ける新会社「株式会社DK-Power」を設立したと発表した。自治体や水道事業者が保有する水路などの施設に小水力発電機器を設置して発電させ、得られた電力を再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して売電する計画だ。自治体や水道事業者には施設の賃貸料を支払い、地域住民には電力を供給する。また、設置工事は設置地域の工事事業者に委託することで、地域振興も狙う。

設置する小水力発電機器はダイキン工業が開発した「マイクロ水力発電システム」だ。出力が22kWのものと出力が75kWのものの2種類がある。80%の設備利用率で稼働させると、出力22kWの製品は年間でおよそ154MWh(15万4000kWh:一般世帯の年間電力消費量にして42世帯分)を発電する。出力75kWの製品は同じ条件で稼働させると年間でおよそ526MWh(52万6000kWh:一般世帯146世帯分)を発電する。どちらも、ダイキン工業が空調機器などの省エネ化などの技術開発の過程で得たものを応用しているという。例えば発電機にはモーターの技術を、発電した電力を系統に連携する機器にはインバーターの技術などを応用している。

図 ダイキン工業が開発した「マイクロ水力発電システム」

図 ダイキン工業が開発した「マイクロ水力発電システム」

出所 DK-Power

ダイキン工業は2013年にマイクロ水力発電システムの開発を開始し、2014年には同社の滋賀製作所内で出力22kWの機器の試運転を開始している。また、同年11月には富山県南砺市に出力22kWの機器を設置して実証実験を開始している。2015年には出力75kWの機器の試運転と実証実験を開始し、今回商品としてマイクロ水力発電システムの普及を図るためにDK-Powerを設立した。

ちなみに現在は神戸市と共同で、「超小型」のマイクロ水力発電システムの開発に取り組んでいる。DK-Powerは、2020年までに一般家庭の年間電力消費量2万3300世帯分に当たる84GWh(8400万kWh)を1年間で発電できるだけの発電機器を設置することを目標としている。


■リンク
ダイキン工業
DK-Power

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...