[ニュース]

パナホームなど、兵庫県芦屋市のスマートシティでマイクログリッド構築へ

2017/09/22
(金)
SmartGridニューズレター編集部

パナホーム、エナリス、興銀リース、兵庫県企業庁は、兵庫県芦屋市でマイクログリッドを構築、運営すると発表した。

パナホーム、エナリス、興銀リース、兵庫県企業庁は2017年9月20日、兵庫県芦屋市でマイクログリッドを構築、運営すると発表した。場所はパナホームが開発している「パナホーム スマートシティ潮芦屋『そらしま』」。「D4街区」の全117戸を相互に連結するマイクログリッドシステムを構築する。2018年10月に運営開始の予定。

図 パナホーム スマートシティ潮芦屋「そらしま」。大阪湾沿岸に位置している

図 パナホーム スマートシティ潮芦屋「そらしま」。大阪湾沿岸に位置している

出所 パナホーム

今回は対象の117戸を自営線で相互に接続し、住戸間での電力融通を可能にする。そして、それぞれの住戸にはパナソニック製の太陽光発電システム(出力4.6kW)と、定置型蓄電池(蓄電容量11.2kWh)、HEMS(Home Energy Management System)を設置する。太陽光発電システムで発電した電力を定置型蓄電池に充電して、自家活用し、蓄電池に充電している電力を相互に融通し合うことで、街区全体の消費電力量のうち80%以上を太陽光発電システムでまかなうことが可能になるとしている。

図 対象街区の住戸を自営線で相互接続し、住戸間での電力融通を可能にする

図 対象街区の住戸を自営線で相互接続し、住戸間での電力融通を可能にする

出所 パナホーム

電力会社からの受電は、住戸ごとではなく、街区全体に一括受電する方法を採る。そして、電気料金が高い時間帯に蓄電池の電力を活用することで、電気料金を20%削減できる見通しだ。そして、117戸分の定置型蓄電池の電力をグリッド内で相互に融通するため、街区に蓄電容量1.3MWhの仮想的な大規模蓄電池があるかのように電力を扱えるようになるという。

図 定置型蓄電池に充電した電力を住戸間で融通し合うことで、街区に蓄電容量1.3MWhの仮想的な大規模蓄電池があるかのように電力を扱える

図 定置型蓄電池に充電した電力を住戸間で融通し合うことで、街区に蓄電容量1.3MWhの仮想的な大規模蓄電池があるかのように電力を扱える

出所 パナホーム

さらに、マイクログリッドを構築した街区を対象にVPP(Virtual Power Plant)の実証試験も実施する。デマンドレスポンスなどの制御信号を受けて、各住戸の蓄電池を充放電するように制御することで、マイクログリッドを構築した街区全体を仮想的な1つの発電所のように機能させることを目指すとしている。

図 マイクログリッドを構築した街区全体を仮想的な1つの発電所のように機能させる

図 マイクログリッドを構築した街区全体を仮想的な1つの発電所のように機能させる

出所 パナホーム

パナホームは今回構築するマイクログリッドを、電力系統が脆弱な国や、住戸間の電力融通を求める海外企業に対するショーケースとしても活用していくとしている。


■リンク
パナホーム
エナリス
興銀リース
兵庫県企業庁

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