水素ステーションの建設状況:実証・商用合わせて38カ所で稼働中
〔1〕水素ステーションの建設状況
燃料電池自動車へ水素を供給する水素ステーションの建設については、2015年4月24日現在、国内では商用として20カ所が稼働中であり(表4参照。日進水素ステーションは2015年5月中旬より運用予定)、23カ所が建設中もしくは建設予定となっている。また、省庁や自治体、企業による実証実験が行われている水素ステーションは、18カ所となっている(表5)。
なお、水素ステーションにおける水素の供給方式には、
- オンサイト型:水素ステーションにて水素製造を行う方式
- オフサイト型:別の場所で水素を製造し、ローリーなどで水素ステーションへ運ぶ方式
- 移動型:水素製造装置を車載したトラックで営業を行う方式
の3種類がある。表4、表5のなかに各ステーションの水素供給方式も記載している。
表4 商用として稼働中の水素ステーション(2015年4月24日現在、20カ所が稼働中)
表5 実証実験が行われている水素ステーション(2015年4月24日現在、18カ所が稼働中)
〔表4、表5出所 各社プレスリリース、経済産業省JHFCプロジェクトサイト(http://www.jari.or.jp/portals/0/jhfc/station/index.html)、燃料電池実用化推進協議会サイト(http://fccj.jp/hystation/)、次世代自動車振興センターサイト(http://www.cev-pc.or.jp/hojo/suiso_ketteinaiyou.html)、水素供給・利用技術研究組合発表資料(http://www.f-suiso.jp/wp-content/uploads/2014/12/87c7a60c495704663ccde2528612c673.pdf)、福岡県知事定例記者会見(http://www.pref.fukuoka.lg.jp/site/chiji-kisha/teirei-kisyakaiken20150128.html)、岩谷産業発表資料(http://www.iwatani.co.jp/jpn/h2/battery/government.html)などをもとに編集部作成〕
〔2〕水素ステーションの建築/運用を行っている企業の動向
水素ステーションの建設/運営については、岩谷産業、JX日鉱日石エネルギーが特に力を入れており、大阪ガスなども、新たなステーションの建設に意欲的である。水素ステーションに携わる主な企業の動きを表6に示す。
表6 水素ステーションの建築/運用を行っている主な企業の動向(2015年4月24日現在、アルファベット/五十音順)
〔出所 各社プレスリリース、NEDO各種発表資料(http://www.nedo.go.jp/content/100514456.pdf、http://www.nedo.go.jp/content/100570147.pdf)などをもとに編集部作成〕
〔3〕水素の販売価格
また、ステーションの建設と同時に、注目されるのが、水素の販売価格である。これについては、各社とも1,000円もしくは1,100円前後となっている。各社が発表している水素価格を表7に示す。
表7 各社の水素販売価格(2015年4月24日現在、アルファベット/五十音順)
〔出所 各社プレスリリースをもとに編集部作成〕
本格的な商用化開始で試される水素エネルギーの真価
水素エネルギーの一般商用利用は、まだ第1歩を踏み出したばかりである。2015年度は、燃料電池自動車の普及を目指して急ピッチで進む水素ステーションの建設や、それを支える技術や製品の開発、新たな燃料電池自動車の市場への投入など、水素エネルギーに関係する産業はますます活性化すると考えられる。
今後、本格的に水素エネルギーの普及が進んでいくなかで、どのような課題が出てくるのかを見極め、より便利で、クリーンな社会が構築されることに期待したい。
▼ 注5
JHFCプロジェクト:Japan Hydrogen & Fuel Cell Demo-nstration Project、水素・燃料電池実証プロジェクト。