表1 2012〜2017年の5年間の変化の見通し
米シスコとシスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は、最新版の「全世界のモバイルデータトラフィックの予測:2012〜2017年版」注1を発表した(2013年2月6日)。
この予測によると、世界全体のモバイルデータトラフィックは、スマートフォンやタブレットなどの新モバイル対応デバイスの急速な普及を背景に、2012〜2017年の5年間に13倍も増加し、2017年には月間11.2エクサバイト(年間134エクサバイト)注2に達する。
今回のシスコの予測では、モバイルデータトラフィック合計に対する割合を見ると、モバイルオフロード注3は2012年の33%から、2017年には46%に増加すると予測されている。また、モバイル接続全体の10%近くを4G(LTE)が占める見通しとなった。
このようなモバイルトラフィックの増加が見込まれる要因として、例えば表1に示すように、モバイル対応デバイス(端末)/接続およびM2M接続の数が、70億から100億(M2M接続の増加分17億を含む)に増加することなどが挙げられている。
表2 2017年におけるモバイルデバイスおよびモバイル接続の動向
図に、モバイルデータトラフィックを増加させるデバイス群を示した。2012〜2017年の5年間におけるトラフィックの年平均成長率(CAGR)は、実に66%と急増。とくに2017年にスマートフォンのトラフィックは67.5%を占め、一方、堅調な伸びをしているM2Mのトラフィック(車載GPSシステム、資材・物流管理システム、医療アプリケーションなど、表2)は、2017年に5%を超えると予測されている。
なお、2013年には、モバイル接続されるデバイスの台数は、世界の人口(国連予測で76億人)を超えるものと見込まれている。
図 急増するスマートフォンのトラフィックと、5%を超えるM2Mのトラフィック
〔出所 http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/pdf/white_paper_c11-520862.pdf 〕
▼ 注1
「Cisco Visual Networking Index (VNI) Global Mobile Data Traffic Forecast for 2012 to 2017」http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/pdf/white_paper_c11-520862.pdf
▼ 注2
1エクサバイト(Exa Byte):1018バイト。109バイト(1Gバイト)の109倍。コンピュータやストレージで用いられるIPトラフィックの測定単位で、100京バイトあるいは100万Tバイトに相当する。
▼ 注3
オフロード:Offload。通信のトラフィック〔=負荷(Load)〕を切り離す(Off)という意味。すなわち、通信が混雑してきたときに、現在の携帯電話網(例:LTE)から別の通信網(例:Wi-Fi網)に通信データ(トラフィック)を迂回させ、現在の通信網(LTE)の負荷を軽減させること。