スマート保安の検証モデルを開発
株式会社ソラコム(以下、ソラコム)と大崎電気工業株式会社(以下、大崎電気)は、商業施設などに設置された電気設備の保安業務を効率化・高度化するためのスマート保安ソリューションの検証モデルを共同で開発した。ソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」と、大崎電気の「マルチデータ収集装置」を組み合わせ、漏電や過電流などの異常の兆候や設備の故障を遠隔で常時監視する。両社が2025年7月15日に発表した。
マルチデータ収集装置で収集したデータで設備監視
今回開発した検証モデルでは、電気設備に取り付けられた複数のセンサーや計測機器から、電気設備の状態に関する多様なデータをマルチデータ収集装置で収集し、ソラコムの通信回線を通じてクラウドへ送信する。電気設備を常時遠隔監視し、点検作業の省力化と事故の未然防止の両立につなげるという。
大崎電気は、ソラコムのIoT通信技術を活用し、電力使用量を遠隔で自動計測する自動検針ソリューション「らくらく検針」を開発し、2023年に発売している。今回の取り組みはそれに続くものとなる。
今後、スマート保安ソリューションの実証実験を実施し、その知見をもとに製品化する方針である。将来的には、先行する「らくらく検針」ソリューションとスマート保安ソリューションを統合する計画だ。
ソラコムと大崎電気によれば、商業施設やテナントビルでは、電気主任技術者の資格を持つ専門人材による受変電設備や配電盤の点検・保守が義務付けられている。また、テナントごとの電気料金請求のために、現在も検針担当者が目視で確認するケースが多い。熟練技術者や検針担当者の不足が深刻化する中で、デジタル技術を活用した業務の効率化と省人化が喫緊の課題となっている。
参考サイト
株式会社ソラコム プレスリリース 2025年7月15日、「ソラコムと連携し、スマート保安の実現に向けた検証モデルを開発」