[特別レポート]

【IAjapan IoT推進委員会 第4回シンポジウム・レポート】IVIのプラットフォーム戦略と期待されるインダストリアルIoTのグローバルスタンダード

― 連携を始めたIVI・IIC・プラットフォームIndustrie 4.0 ―
2016/10/13
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

今後の展開:期待される「グローバルスタンダード」

〔1〕IVIがプラットフォーム参加企業を募集

 これまで、IVIが本格的に取り組みを開始したプラットフォーム戦略を中心にレポートしたが、すでに、

(1)ドイツのプラットフォームIndustrie

4.0は、RAMI4.0(ラミ4.0。Reference Architecture Model Industrie 4.0、2015年7月発表)

(2)米国のIIC(Industrial Internet Consortium)は、IIRA(アイアイアールエー。Industrial Internet Reference Architecture、2015年6月発表)

というリファレンスアーキテクチャ(プラットフォーム)を発表している。また、両者のRAMI4.0とIIRAは類似点も多いところから、2016年3月にグローバルスタンダードの策定に向けて合意し、すでに検討が開始されている。

 このような背景のもとに、IVIは、「IVIプラットフォーム2016募集開始」を発表注10し、2016年9月12日から受付を開始した。

  • 第一次募集締め切りは、2016年9月30日
  • 第二次募集締め切りは、2016年10月31日

となっている。

 このように、現在、日本のIVIのフレームワークの策定作業は開始されたばかりであるが、IVIのフレームワークは、ドイツや米国のような概念的なものではなく、現場からの実践をベースにしたものであり、進んだ側面も備えたものになっている。しかし、RAMI4.0やIIRAとも協調できる側面もかなりあるため、今後、IVIとプラットフォームIndustrie 4.0およびIICの、三者によるグローバルスタンダードが策定される可能性も高くなってきている。

 なお、IVIは10月13日に「プラットフォーム時代のものづくり」をテーマにした「IVIシンポジウム ―Autumn」を開催する注11

〔2〕急進展する国際協力

 2016年9月13日、IVI理事長の西岡 靖之氏(法政大学教授)は、IVIエバンジェリストであるAxel Saleck(アクセル・ザーレック)氏とともに、ドイツのベルリンにあるプラットフォームIndustrie 4.0のオフィスを訪問し、事務局長のHenning Banthien(ヘニング・バンティエン)氏、およびドイツ連邦エネルギー省のIndustrie 4.0担当事務官であるJan Siedentopp(ヤン・ジーデントップ)氏と面談し、意見交換するなど精力的な活動を展開している。

 さらに、IVIは、2016年10月25〜27日にスペインのバルセロナで開催されるIoT Solution World Congress 2016(IOTSWC 2016)に、米国のIIC、ドイツのプラットフォームIndustrie 4.0と並んでイベントパートナーを務めることを決定した。

 これら三者を中心に、全地球規模における製造業の国際協力がダイナミックに進展し、グローバルスタンダードが一刻も早く策定されることを願いたい。


▼ 注10
IVIプラットフォーム(2016年度)募集案内

▼ 注11
「IVIシンポジウム―Autumn― ―プラットフォーム時代のものづくり-」
・日時:2016年10月13日9:30〜17:00(受付開始9:00)
・場所:東京・TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(JR市ヶ谷駅徒歩2分)
・参加費:無料。申し込み⇒https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ylTqsjiy

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