柔軟性エネルギー管理ソリューションとは？
〔1〕「AutoGrid Flex」と「AutoGrid Engage」の2つのアプリケーションスイート
―編集部 オートグリッド社のアプリケーションには、どのような特徴がありますか。
Narayan 柔軟性管理ソリューションは、すべてのDERから得られるビッグデータをリアルタイムにモニターし、「予測」「最適化」「制御」を実現します。さらにSaaS注8プラットフォームによって、新しいハードウェアや技術の追加を容易とし、変化を続ける市場に遅れを取ることなく、迅速な事業計画のスケールアップを可能にします。加えて、高度な人工知能（AI）を駆使する柔軟性管理によって、DERやDRの制御を最大限に効率化します。
図3を見てください。私たちは2つのアプリケーションスイートを用意しています。
図3 AutoGridの2つのアプリケーションスイート
出所 オートグリッド社プレゼンテーション資料より
1つはエネルギー業界初となる真に統合された柔軟性管理プラットフォーム「AutoGrid Flex」で、この中のサブモジュールによってVPPやエネルギー貯蔵、蓄電池への対応を可能にしています。もう1つは、高度な分析能力によってエネルギー事業者の顧客対応力の向上をサポートする「AutoGrid Engage」です。
〔2〕提供するソリューションの技術的な特徴と強み
―編集部 オートグリッド社が提供するソリューションの強みは何でしょうか。
Narayan この分野には主に2種類のプレイヤーがいます。1つは、システム制御型のプレイヤーです。通常は、グリッドの管理対象は、家庭や工場などの施設ごとの単位です。このため、ビル内の電力資産や家庭のソーラーパネル、EV、蓄電池は制御の対象外となっています。しかし弊社では、それらも対象としているので、その点が評価されシナジーエレクトリック社と契約を結ぶことができました。
もう1つは、特定の電力資産に特化したプレイヤーです。通常は、例えばマイクログリッドやDR、家庭内の発電における技術開発や顧客獲得のサポートを行ったりしています。それに対して、弊社では決して特定の分野に限定していません。すべての資産、すべてのバリューチェーンにおける価値を最大化、最適化できます。ロイヤル・ダッチ・シェルやトタルやシェルは、弊社のそういった強みを評価していただき、提携に至りました。
オートグリッドのソリューションは、住宅用、商用、産業用などのすべての顧客に対応できます（図4）。バリューチェーンも同様です。競合他社の製品はその中の1つ、ないしは2つ程度しか対応できませんが、弊社ではトータルでカバーできます。
図4 AutoGrid Flexの特徴
出所 オートグリッド社プレゼンテーション資料より
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―編集部 技術的な優位点（強み）を教えてください。
Narayan 優れた拡張性にあります。アプリケーション機能の拡張性はもちろん、地域の拡張性に関しても強みです。顧客が多国展開をしたい場合にも対応できます。ここまで幅広いサービスと地域対応力をもっている競合製品は他にありません。
また、AI技術も特徴の1つです。AIによるビッグデータ分析、リアルタイムでの最適化の能力も、他の競合製品では実現していないでしょう。ビッグデータとAIの技術によって、高度な数理計算を行いながら、なおかつオープンに制御するという、この2つのまったく違う技術を1つのクラウドプラットフォーム上に実現しています。
▼ 注8
SaaS：Software as a Service。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたアプリケーションソフトウェア。クラウドコンピューティングにより提供される。
