[スペシャルインタビュー]

IP/MPLSベースで構築するアルカテル・ルーセントのスマートグリッド・ソリューション

アルカテル・ルーセント ベル研究所 シニアダイレクターKenneth C. Budka(ケネス・C・ブッカ)氏に聞く!
2015/02/28
(土)
SmartGridニューズレター編集部

グローバルにエンド・ツー・エンドの通信ソリューションを提供しているアルカテル・ルーセント(本社:フランス)が、電力自由化を目前に控えた日本市場へ本格的に参入しようとしている。
同社は、一般の通信事業者向けに開発した技術をさらに応用して電力事業者向けにもビジネスを展開し、世界各国で豊富な導入実績をもつ。また、世界でも最大級のベル研究所(ベル研)でも有名だ。
同社のスマートグリッドへの取り組み、IP/MPLS技術を適用したネットワークソリューション、日本市場への参入などについて、アルカテル・ルーセント ベル研究所 シニアダイレクター ケネス・C・ブッカ(Kenneth C. Budka)氏にお聞きした。

大手通信ソリューションサプライヤー「アルカテル・ルーセント」のスマートグリッド事業

─編集部:アルカテル・ルーセントとはどのような企業でしょうか。

ブッカ:アルカテル・ルーセントは、通信ソリューションやサービスをエンド・ツー・エンドで提供しており(表1)、世界の主な通信事業者や各種法人、電力や鉄道事業者、そしてその他の公共機関や政府機関にも製品を納めています。全世界で6万人規模の従業員がいます。

表1 アルカテル・ルーセントのプロフィール

表1 アルカテル・ルーセントのプロフィール

 また、研究開発機関としてベル研究所があります。ここでは、各分野の世界的リーダーが研究者として集結し、お客様や製品開発チーム、そして世界トップクラスの研究機関や大学と緊密に連携し、通信の方法や情報のやり取りについて日々新たな方法を模索しています。世界で最も影響力のある技術・標準化団体においてもリーダーシップを発揮し、業界の舵取りに貢献しています。私自身もこのベル研究所に所属しており、スマートグリッド技術の研究開発に7年ほど前から携わっています。

─編集部:スマートグリッドの分野に力を入れ始めたのは、いつ頃からでしょうか。

ブッカ:アルカテル・ルーセントが電力業界向けの通信ソリューションの提供に乗り出したのは、もう20年以上も前になります。電力事業者も、光伝送や無線などの技術、ルータやスイッチなどの装置を使ってネットワークを構築し、音声やビデオ、データのやり取りをしています。ですから我々のビジネスにおいても、電力分野は常にビジネスの一角をなしていました。

 近年、電力網のアプリケーションとICT(情報通信技術)の関係がより緊密な、「スマートグリッド」というオープン指向の新しい電力共有システムの時代がやってきて、電力業界においても、徐々にネットワークの中でパケット通信が使われるようになってきました。一方で、これまで電力事業者の間で使われていた、いわゆるレガシーの技術も寿命を迎え始めています。

 このような変化は10年ほど前から緩やかに進んでいますが、この流れの中で、アルカテル・ルーセントも各国で着実に経験を積んできました。現在では、北南米、欧州、中東、アフリカ、そしてアジア・太平洋地域の100以上の電力事業者への納入実績があります。

Dr. Kenneth C. Btudka

─編集部:スマートグリッド分野においては、どのような取り組みをされているのでしょうか?

ブッカ:電力業界のスマートグリッドに向けた動きがどんどん加速していく中で、ネットワークの「セキュリティ」「リライアビリティ」(信頼性)、そして「スケーラビリティ」(拡張性)は非常に重要ですが、これらは通信事業者のニーズと共通性が高いと考えています。これは、通信事業者向けに培った我々の技術は、電力事業者に対しても活用ができるということです。

 また、スマートグリッドでは、(1)電力網の信頼性を確保すること、(2)グリッドのネットワーク運用効率を高めること、そして(3)発電や節電に対する消費者の参加、の3点が鍵になると考えますが、我々が提供する通信ソリューションは、これらの実現に大きく貢献すると自負しています。

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