モジュール型蓄電システムの運転モード
ここまで、ファーウェイの住宅用ハイブリッド蓄電システムの特徴を見てきたが、最後に、蓄電システムの運転モードについて見てみよう。
同システムの運転モードとしては、表2に示す、「経済モード」「防災モード」「グリーンモード」という3つのモードが用意されている。
表2 住宅用ハイブリッド蓄電システムの運転モード
どのモードを選択するかは、顧客(需要家)の選択となるが、ここでは図3に示す「経済モード」の場合を紹介する。
図3 住宅用ハイブリッド蓄電システムの運転モード例:経済モードの場合
図3に示す、蓄電システムの「経済モード」は、次のようになる、
- 昼間:太陽光発電を自家消費し、余剰電力を小売電気事業者などに売電する。
- 夜間:電力系統の割安な夜間電力で蓄電池に充電する。
- 朝夜:蓄電池から放電し自宅のテレビや空調などで自家消費し、電力料金を節約する。
- 蓄電池の充放電時間帯を、家庭の利用状況に合わせて設定する。
なお、図3の下段に示すように、蓄電池は、「充電⇒待機⇒放電⇒待機⇒放電⇒充電」のサイクルを繰り返している。
以上のほか、表3に、価格を含む、ファーウェイの住宅用ハイブリッド蓄電システムの基本的な構成機器を示した。また、参考として、表4に、本記事に登場する主な用語の解説を示す。
表3 ファーウェイの住宅用ハイブリッド蓄電システムの価格と構成機器
電池セル:リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFe電池:Lithium Ferrite Battery) LUNA2000-5-NHS0:蓄電システム。「5」は5kWh、「10」は10kWh、「15」は15kWh
LUNA2000-5KW-NHC0:DC/DCコンバーター LUNA2000-5-NHE0:蓄電池モジュール
CT:Current Transformer、変流器。1次電流(大電流)を2次電流(小電流)に変換する機器 FusionSolar 7.0 APP:太陽光発電管理ソフトウェア
出所 編集部で一部加筆修正して作成
表4 記事中で登場する主な用語解説
出所 各種資料をもとに編集部で作成
今後、ファーウェイの新しい住宅用ハイブリッド蓄電システムが、エネルギーデジタル化の牽引役として日本市場で新風をおこすか、注目したい。