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東芝、可変速揚水発電システムが営業運転を開始

2015/12/07
(月)
SmartGridニューズレター編集部

2015年12月7日、株式会社東芝 電力システム社(以下:東芝、川崎市幸区、執行役上席常務 電力システム社社長:油谷 好浩)が北海道電力株式会社(以下:北海道電力、札幌市中央区、代表取締役社長:真弓 明彦)「京極発電所2号機」向けに納入した可変速揚水発電システムが、2015年11月、営業運転を開始したことを発表した。
 写真 京極発電所 発電電動機フロアトップ

運転を開始した可変速揚水発電システムは、2014年10月に営業運転を開始した「京極発電所1号機」と同様に、従来の揚水発電システムに比べて運転可能範囲が広く、ゼロ出力から最大出力まで電力の需給バランスに応じた最適運転ができる特長をもつ可変速揚水発電システムが適用されており、水資源の有効活用と電力安定供給への貢献が期待される。
可変速二次励磁装置※1には東芝独自のIEGT(Injection Enhanced Gate Transistor)素子※2を採用し、周辺回路の簡略化によるコンパクト化やシステム全体の損失低減を実現している。また、監視制御装置間をゲートウェイ※3によるネットワークで接続し、各号機単独の運転制御だけでなく、落雷などの系統事故時に系統周波数低下を検出して複数ユニットを組合せて発電を開始する緊急発電運転など、電力系統の安定運用に貢献できるシステムとなっている。

可変速揚水発電システム 納入概要

発電所名 京極発電所
事業者 北海道電力株式会社
所在地 北海道虻田郡京極町
発電所出力 200MW×2

東芝グループは、1894年に日本最初の事業用水力発電所である蹴上発電所向けに国産初の60kW水車発電機を納入して以来、世界各国に2,000台以上、56,000MW以上の水力発電ユニットの納入実績がある。可変速揚水発電システムにおいても、同社が世界に先駆けて実用化したシステムであり、日本国内だけでなく海外でも建設などが計画されている。


※1 発電機又は発電電動機の二次側(回転子)に変換装置を接続した二次励磁方式を適用した交流励磁装置

※2 高耐圧・大容量向けに開発された注入促進型絶縁ゲートトランジスタで、低いゲートオン電圧特性と高い遮断能力を備えたパワーデバイス

※3 通信手順(プロトコル)が異なる二者間やネットワーク間の相互の通信を 中継する機器

■リンク
東芝
北海道電力

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