2016年2月9日、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下:CTC、東京都千代田区、代表取締役社長:菊地 哲)は、国際石油開発帝石株式会社(以下:INPEX、東京都港区、代表取締役社長:北村 俊昭)が、現在、天然ガスを供給している都市ガス事業者の内、新たに電力小売事業に参入する事業者向けに提供する顧客管理クラウドを構築したことを発表した。
INPEXでは設定や操作教育を経て、2016年4月から顧客管理クラウドのサービス提供を開始する。
2016年4月に電力小売りが全面自由化され、従来の地域ごとの電力会社の他に、様々な業種の企業が電力を各家庭に直接販売できるようになり、都市ガス事業者も新たに電力小売事業に参入することが可能となっている。参入するためには、顧客情報の安全な管理が必要となるが、INPEXでは、電力小売事業に必要なシステムをクラウドで提供することで、都市ガス事業者の電力小売体制の構築と顧客獲得をサポートをおこなう。
CTCが構築したINPEXの顧客管理クラウドは、ガス業界向けの顧客管理システムを元に、電力小売事業者向けに機能を強化したサービスとなる。セキュリティを確保しながら、顧客情報の管理、電気料金の計算、請求・回収といった収入管理などを一括で管理し、ポータル機能として営業支援と需要家向けWebサービスを行う機能が備わっている。都市ガス事業者は同クラウドサービスを利用することで自社開発を行う場合と比較して、開発コストと期間を半分以下に削減できる。
CTCでは顧客管理システムの他に、電力小売事業者向けに、時間と共に変動する電力の需要と供給の管理業務を行うクラウド型の需給管理業務システムを取り扱っており、特に需給管理については、CTCが電力事業者向けの案件で蓄積してきた統計処理技術や人工知能技術のノウハウを活かし、より高度な発電出力と需要の予測が可能となる機能も提供できる。CTCは顧客管理に加えて、電力事業者の需給管理業務の運用代行サービスも拡充し、新規に参入する事業者を引き続きサポートしていく。