有機排水からバイオガスを製造するシステムを発売
住友重機械エンバイロメント株式会社(以下、住友重機械エンバイロメント)は、産業活動による有機排水からバイオガスを製造する嫌気性消化システム「BIOIMPACT-AC」を2025年8月1日に発売した。同システムは、従来品と比較して処理能力を向上させ、設置に必要なスペースを削減し、導入の課題だった設備コストや設置スペースの解消につなげるという。2025年8月19日に発表した。
図1:住友重機械エンバイロメントの「BIOIMPACT-AC」は、産業活動で排出される有機排水からバイオガスを製造する
出所 住友重機械工業株式会社 お知らせ 2025年8月19日、「再生可能エネルギーを生み出す『BIOIMPACT-AC』を販売開始」
従来技術と比べ処理能力を向上し設置スペース削減
BIOIMPACT-ACは、工場などから排出される有機排水をバイオマス原料として活用し、メタンを発酵させてバイオガスを製造する。生成されたバイオガスは発電や熱源の燃料として利用することで、化石燃料の使用量を削減してエネルギー調達コストを低減するという。
独自の高効率処理技術により、同社の従来品と比較して処理能力を約2倍に向上させたことで設備を小型化した。これに伴い、設置に必要となるスペースを約50%削減した。
2026年に、アサヒビール株式会社の茨城工場で実証機の運転を開始する予定。
住友重機械工業によれば、嫌気性消化システムは、酸素のない環境下で働く微生物の力を利用し、有機性排水などを分解・安定化して環境負荷の低減に貢献する一方で、高い設備コストや広い設置スペースが導入の課題とされてきた。
参考サイト
住友重機械工業株式会社 お知らせ 2025年8月19日、「再生可能エネルギーを生み出す『BIOIMPACT-AC』を販売開始」