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楽天、ガス小売り自由化も見据え小売電気事業のクレアールエナジーに出資

2015/12/17
(木)
SmartGridニューズレター編集部

2015年12月17日、楽天株式会社(以下:楽天、東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史)は、クレアールエナジー株式会社(以下:クレアール、東京都中央区、代表取締役社長:白川 勉)が第三者割当増資により発行する株式引き受けに合意したことを発表した。

クレアールは株式会社クレックス(以下:クレックス、千葉県千葉市、代表取締役社長:小野 和一)が小売電気事業を行う目的で2015年10月に設立した会社である。今回の増資に伴い、クレアールへの出資比率は、クレックス65%、楽天35%となる。楽天とクレックスは2015年7月、家庭および法人事業者に対して、新サービスを共同で開発するため、約1万世帯のモニター募集を通じて顧客ニーズなどを調査してきた。その結果、簡易HEMS※1から得られるエネルギーデータと顧客のマイページとの連携による有効性、LPガス事業者の強力な販売チャネルと「楽天スーパーポイント」の組み合わせによるサービスの優位性などを確認し、両社の強みをより生かすため、第三者割当増資の引き受けを決定した。

今後、クレアールは2017年に予定される都市ガスの小売全面自由化を鑑み、その前段として2016年4月以降に小売電気事業を行うための手続きを進め、クレックスの既存および新規のLPガス顧客に対して電力、ガス、その他のさまざまなコンテンツを組み合わせたサービスを提供していく。
また、電力およびガスの小売自由化に伴い、さまざまな業界から事業者の参入が予想されているが、クレアールが得たノウハウなどを活かしたサービスプラットフォームを新規参入事業者などへ展開することで、取次などを含めた営業・契約モデルの推進や、FIT電気※2およびゼロエミッション電源(水力、再生可能エネルギー(FIT電気を除く)の販売モデルの開発に取り組む。


※1 HEMS(ヘムス):ホームエネルギーマネジメントシステム(Home Energy Management System)の略称、センサーやITの技術を活用して、住宅のエネルギー管理を行うシステムを指す。主に、電気の使用状況の「可視化」や、住居内の機器制御を通じて省エネなど使用量の最適化を実現することが可能になると言われている。

※2 FIT電機:太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスについて、電気事業者に、国が定めた調達価格・調達期間での、再生可能エネルギー電気の調達を義務づけた電気。

■リンク
楽天
クレアール
クレックス

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