2016年9月21日、日立オートモティブシステムズ株式会社(以下:日立オートモティブシステムズ、東京都千代田区、社長執行役員&CEO:関 秀明)は、自動運転車両に適用される高度自車位置検出システムの早期実用化に向けて、現在すでに広く活用されているGPS(Global Positioning System)位置情報に、ステレオカメラやSurroundEye※といった前方・周辺監視カメラの画像と、画像情報処理における走行レーンの見失いに対処するレーンマーキングフュージョン機能を統合することで、自動運転の安定性を高める自車位置推定技術を開発したことを発表した。
自立走行を行う自動運転車両は、自車位置を常時検出することが求められており、高精度のみならず絶えず安定した位置検出を行う必要があるため、日立オートモティブシステムズは、このような要件を満たす高度自車位置検出システムの開発をおこなっている。
高精度な位置検出に向けては、GPSによる位置情報に前方・周辺監視カメラの画像情報を自動運転ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)内で照合させることで精度向上を図っているが、課題となるのは悪天候時や急カーブなどでのカメラ画像情報処理における走行レーンの見失いである。その対処として開発したレーンマーキングフュージョン機能は、前方・周辺監視カメラの画像情報を絶えず蓄積しておき、画像情報処理において走行レーンの見失いが生じた際に、直前の検出情報を用いて安定した自車位置推定を行うものとなる。同機能によって、走行レーンの見失いが生じた場合でも安定した自動運転車両の走行の支援が可能となる。
日立オートモティブシステムズは、GPS位置情報と画像情報を組み合わせた高度自車位置検出システムの実用化に対し、レーンマーキングフュージョン機能を統合することで、自動運転の早期実用化を目指す。
※ SurroundEye(R):クラリオン株式会社の登録商標。
■リンク
日立オートモティブシステムズ