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車外からスマホで指示して自動駐車、日立オートモティブシステムズとクラリオンが開発

2016/12/22
(木)
SmartGridニューズレター編集部

日立オートモティブシステムズとクラリオンは、車外からスマートフォンの指示で車庫入れを可能にするシステムを開発したと発表した。

日立オートモティブシステムズとクラリオンは2016年12月22日、車外からスマートフォンの指示で車庫入れを可能にするシステムを開発したと発表した。スマートフォンの画面を見ながら、ボタンを押し続ければ駐車が完了するというシステムだ。

このシステムを組み込んだ自動車で駐車をするには、降車前にカーナビやタブレットに現れる「パーキングアシスト」ボタンをタップする。すると画面に「並列・前進駐車」「並列・後退駐車」「縦列駐車」の3つの選択肢が現れるので、希望の駐車方法を選んでタップする。

すると、システムが自動車周辺を探索し、駐車可能な空間を検知する。複数の駐車可能空間を検知した場合は、希望する空間を選んでタップする。ここまでは、自動車内のカーナビあるいはタブレットへの操作になる。ここまで操作したら、運転者は降車する。

降車したらスマートフォンの専用アプリを使って指示する。専用アプリは事前にインストールしておく必要がある。アプリを起動して「リモートパーキング」ボタンをタップすると、自動車とその周辺を映した画像がスマートフォンの画面に現れる。この画像に、駐車位置や駐車ルートを示す画像を重ねて表示する。自動車とその周辺を上から俯瞰した画像を表示させることもできる。俯瞰の画像はクラリオン独自の技術「SurroundEye」によるものだ。自動車が備える4つの広角カメラの画像を合成することで、俯瞰の画像を作り出している。

図 駐車/出庫動作中にスマートフォンが表示する画面。左から俯瞰した画面、運転者視点の画面、出庫位置を指定する画面

図 駐車/出庫動作中にスマートフォンが表示する画面。左から俯瞰した画面、運転者視点の画面、出庫位置を指定する画面

出所 クラリオン

自動車とその周辺を映した画像の下には、丸い「パーキング」アイコンがあり、このアイコンをタップすると自動駐車が始まる。アイコンに触れ続けると自動車が駐車動作を続け、アイコンから指を離すと自動車が止まる。自動車が備えているセンサーが歩行者や障害物を検知したときも、自動車は停止する。障害がなくなったら、再び「パーキング」アイコンに触れることで駐車動作が再開する。降車前に運転者が指定した位置に駐車が完了したら自動車は停止し、スマートフォンには駐車完了を知らせる表示が現れる。最後に「OK」ボタンをタップすれば駐車完了だ。

車外からの指示で出庫させる機能も備えている。スマートフォンのアプリを起動して、「リモートエグジット」ボタンをタップすると、出庫後に停車させる位置を指定する画面が現れるので、任意の位置を指定してタップする。すると、駐車時と同じように自動車とその周辺を映した画面が現れ、その下には丸い「エグジット」アイコンが現れる。あとは駐車時と同じように「エグジット」アイコンに触れ続けていればよい。自動車が障害物などを認識して自動停車するところや、アイコンから指を離すと停車するところも駐車時と同じだ。

出庫して事前に指定した位置に停車したら出庫完了。スマートフォンの画面に集車完了を知らせる画面が現れる。「OK」ボタンをタップして操作終了となる。

このシステムを使うと、車内に人がいない状態で駐車ができる。かなり高い精度で指定した位置に駐車ができるので、高密度で駐車する場合は特に役立つ。高密度で駐車すると、隣接する車両が邪魔になってドアを開けることもできなくなる。このような駐車場に入庫、出庫するには、車外からの指示で自動で入庫、出庫させるしかない。

日立オートモティブシステムズとクラリオンはこのシステムについて、基本となる技術の開発は完了し、テストを続けているとしている。ただし、実用化にはさらなる開発が必要だともいう。なるべく早期に市場投入できるように開発を進める方針だ。


■リンク
日立オートモティブシステムズ
クラリオン

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