アイ・オー・データ機器は2016年11月16日、M2M通信(Machine to Machine:機器間通信)に向けたルーター「UD-LT1」を発表した。受注生産で提供する。価格はオープン。アイ・オー・データ機器のオンライン販売では、3万2184円(税込)で提供している。
図 M2M/IoT通信向けルーター「UD-LT1」
出所 アイ・オー・データ機器
インターネット回線として有線接続の回線だけでなく、NTTドコモとauの携帯電話回線に対応する点が特徴。ソラコムがNTTドコモの携帯電話回線を利用して提供しているIoT向け通信サービス「SORACOM Air」と、通信暗号化サービス「SORACOM Beam」で通信ができることも検証済みだ。
インターネット回線はEthernet端子を経由した有線接続と、携帯電話回線を利用する無線接続のどちらかを選んで使用する。携帯電話回線はNTTドコモとauのどちらかを選ぶ必要がある。2つの携帯電話回線を同時に利用することはできない。
機器との通信には、インターネット回線向けとは別に用意してあるEthernet端子を使用する。インターネット側、機器側どちらのEthernet端子も10 BASE-T/100BASE-TX対応だ。
インターネット回線の障害に備えた機能を用意しているという特徴もある。障害発生時には自動的に回線を切り替える。例えば、有線回線を使用しているときに障害が発生したら、携帯電話回線に切り替える。
さらに、本体に障害が発生してインターネット通信ができなくなった場合に備えて、携帯電話回線モジュールを再起動させることもできるようになっている。モジュールの再起動でも通信ができない場合は本体を再起動させる。スケジュールを組んで、定期的に再起動させる機能も持つので、通信環境が不安定な場所に置いても通信が途切れたままになることはない。
携帯電話回線の電波が本体まで届かないときは、別売りのアンテナ「UD-ANT1」を利用できる。UD-ANT1は長さ約2.9mのケーブルでUD-LT1と接続する。本体から離れた場所にアンテナを置けば、通信環境が改善する可能性もある。UD-ANT1の価格はオープンプライス。アイ・オー・データ機器のオンライン販売では、5724円(税込)で予約を受け付けている。12月中旬に出荷開始の予定。
図 別売りのアンテナ「UD-ANT1」
出所 アイ・オー・データ機器
スケジュールを設定して、特定の時間帯に限って携帯電話回線を利用することも可能。例えば、通信料金が高い昼間は機器側でデータを蓄積しておき、通信料金が安くなる夜間に蓄積しておいたデータを送信するようにして、通信コストを抑えることが可能だ。
セキュリティを守るため、VPN通信を利用することもできる。対応するプロトコルはPPTP、IPSec、L2TP、IPIP、GRE、OpenVPN。OpenVPNを除く5つのプロトコルについては、シスコシステムズの「Cisco 2811」とフォーティネットの「FortiGate」で動作を確認している。
無人の環境に長期間放置することも想定している。故障の原因となりやすい放熱ファンを排除し、金属製の外装で放熱する設計になっている。最高で40℃になる環境でも動作する。
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